アメリカ視点1話 会合

事件の翌日(アメリカ時間)首都ニューヨークネオニューグランドロッジ地下

「ようこそ、お集まりいただき光栄です。70年ほど前我々の先代のレライ達が所属していた連合グランドロッジはアーリアのイングランド侵攻により瓦礫と化しました。しかし我々の先代のレライ達は諦めずニューヨークにネオニューグランドロッジの建設を行いましたその後旧首都ワシントンへの原爆投下があり首都はニューヨークに移りネオニューグランドロッジはアメリカの象徴となりまたした。今回も会合を開けることを感謝申し上げます。」

会場に居た多くの会員が拍手をしたので私も周りに合わせて拍手をした。

「いいから早く昨日の話の続きを聞かせなさい。」

長老が怒った様子で議長を急かした。

「そんなに焦らないでくださいよ、ベンジャミン・ヒューストン長老。あなたの信仰している神とやらはせっかちなんですね(笑)」

「次期代表候補である議長の君であっても主を愚弄することは許されないぞ!」

そうだそうだと野次が聞こえてくる。

「えぇ、申し訳ございません。しかし主の、神の威光はまもなく消え去りますので関係ありませんね」

「貴様何を言っているんだ、それ以上無礼を働くのならば会からの除名も厭わないぞ」

長老が文句を言い終わり立ち上がりアダムス議長・次期代表候補に手を出そうとしたその時だった。

突如長老が狙撃された。

周りに血が飛び散り会議に参加していた幹部らの叫び声が地下議場に響き渡った。

私の右隣りに居た会員も懐から銃を取り出し発砲した。

大勢の会員が殺された。

その多くは私達と反対側に座っていた法王派や皇帝派の会員達だった。

一通り発砲が終わりアダムス議長が口を開いた。

「我々の主はルシファー様だ、神は臆病ものであり何の意味もない。神の御使である日本皇帝は死に陛下も明日には死ぬ。我々の野望を神は邪魔できない。だが信仰を捧げる人ならば邪魔できた。しかし信仰者も死んだ。合衆国は、世界は我々のものとなったのだ。今より主はルシファーただ一人である。ルシファー様に命を捧げよ!hooray(万歳)」

会場から次々とhoorayと叫ぶ声が聞こえた。

宿舎に帰り何もする事が無くテレビをつけてみた。

大統領が演説しているシーンが映っていた。

おそらく今回の会合の内容が大統領府に伝達されたのだろう。

会合での決定や我々の動向はそのままアメリカ合衆国の政治における最高意思決定事項となる、第二次世界大戦後アメリカ合衆国はそれ以前よりもレライやイユ財閥の影響はとても強く大きくなってしまった。

メンバーだけが知っている内容だがアーリア帝国とアメリカ合衆国は表向きではイデオロギーが異なりお互いに陣営を率いてることから敵対関係と勘違いされがちだが、裏ではイユ財閥とレライを根幹に繋がっている。

時間も良い具合なので明日の支度をし今日は早々に眠りについた。

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