｢すごーい！おじちゃんより凄いねぇ｣

｢おじさんは構ってくれないねぇ〜｣

｢ねぇ、おじちゃーん遊んでーって言ってるよ？｣｢……｣｢冷たいねーおじさん｣

今、僕の目の前には赤ん坊がいる。姉の子だ。去年の４月に生まれたからもうすぐ一歳になる。

｢おじちゃーん♡｣｢...｣

うるさいなっ！叔父ちゃん叔父ちゃんうるせえんだよ！僕まだ高校生だからっ！ほんとに叔父ちゃんって呼ばれるようになったらどうするんだよ！僕泣くよ！？泣いちゃうよ！？ねえ！口には出さないけどやめて欲しいんだよ。というか、最近僕すんごい悪者扱いされるんだよね。｢おじちゃんくさーい。｣とか｢おじちゃん暇人なのに遊んでくれないねーダメ人間だね〜｣とかだ。姉からも両親からももうフルボッコだ。僕何かしたっけ？いや、してないよ？自覚するようなことはさ。てか、出来ないからね。その殆どは冗談のようなものだが僕には結構効くのだ。そもそも赤ん坊だったとしても、コミュ障の僕に何が出来ると？つか、あんたら構ってるんだから僕要らないよね？休みの最後の日くらい自由にさせてほしい。この休み中僕に自由なんてのはなかった。いや、休み中ていうか赤ん坊が生まれてからずっとだ。今みたいに執拗に絡まれたり、｢買い物行くからちょっと見ててー｣とか言われたり｢お年玉あげてね♡｣とか言われたり。結局僕は従うんだけど。僕が姉に勝てたことなんて一度もないのだ、例え些細なことでも。怒らせたら怖いからね。そんな僕は生まれて間もない赤ん坊には申し訳ないが君には恨みを抱いている。とてもかわいいと思うし罪はないんだよ？でもさ、0歳が高校生よりお年玉多いってどうなんだよ？君生まれてから家族の僕への当たりきつくなったしね。あーくそっ！早く独り立ちしたいっ！

…………………って思いながらすぐに怖いなって思う僕はヘタレなんだろうな。