第6話 1月6日 FUーTON

 昨日は、調べていたら寝落ちしてしまった。今日も朝から練習だし起きるか~。と起きようとしたとき、夢葉の声が聞こえた。

「相変わらず、寝顔は昔から変わらないんだから。可愛いし、写メとっとこ。ノブくんには内緒で。待ち受けにしとこ。」

 今、起きたら絶対まずい!ここでも、オレの第六感が冴えわたる。すると、寝ているオレの体が筋肉痛もあって、金縛りになった!?金縛り・・・!目をうっすら開けると、オレの寝ている布団の上から、夢葉が抱き着くようにのっかる。

「おいおい!冗談だろ!夢にしては、出来すぎだって、この状況は!」

もがき、焦るオレのことはお構いなく、夢葉の顔がどんどんオレの顔に近づいてくる。

「・・・ノブ君、助けて。」

思いもよらない一言が聞こえた。オレはてっきり「のぶ君の好きなようにして」とかそんなゲスな考えで頭がいっぱいだった。そんなときに、「助けて」と言う。

何とか金縛り?から解放され、目を開ける。すると、そこには、夢葉ではなくメグミンがいたのだ。


「のぶ君、おはよう。ごめんね、朝から驚かせて。」

「まじ、びっくりだった。夢葉がオレの上に乗っかって・・・」

「乗っかって、何?まさか、Hなこと妄想してたでしょう~?」

「・・・して・・・・ない!ほんと、おどろいた。どうして、こんな回りくどく、しかも、助けをメグミンはオレに求めてきたんだ?」

「実は、ノブ君だけじゃなく、夢葉にも同じ夢を見させたんだよ。2人に協力してもらいたくて。」

「・・・・!!!ちょっと待て!ということは、夢葉の上に乗っかっているのは、オレなのか?」

「そうだよ。嫌だった?」

「あとで、1万tハンマーが飛んでくるわ。それで、メグミンはオレたちにどうしろっていうんだよ。」

「ノブ君、昨日布団の種類は8種類だと調べて分かったんだよね?」

「あ~そうだ、それで、自分の布団は8種類のなかのどれにあてはまるのか調べようと思って、気づいたら寝てた。」

「実は、ノブ君の布団は、この世の願望を実現させるための願望器で、通称「FU-TON」って言うんだ。よくあるじゃん、ドラゴン〇ールとか、聖〇とかそんな感じと同じ。で、私はあっちの世界の住人なんだ。」

「・・・ごめん、頭が真っ白だわ。布団だけに。意識が吹っ飛ぶギャクだわ。」

「信じてもらいたから、単刀直入に話すと、このノブ君の布団を巡って、いろんな世界との均衡が崩れてきていて、私はその均衡を崩さないために、派遣されたエージェントという感じ。そのエージェント集団の通称が”Dream riders"というわけ。2人には、私と一緒に活動して欲しいんだけど。ダメかな?」


 いきなりの告白、とりあえず冷静になるために、オレは布団にうずくまり、寝ることにした。


 

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Dream riders あきカン @kanchan0201

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