第4話 1月4日
今日から久しぶりに学校部活が始まる日。冬休み中は、どこの場所も練習場所がなく、ただひたすらにユーチューブで動画を見て、素振りをしたり、イメトレしたりして時間を費やした!さぁ、起きなければ。目を開けたら、見たこともない天井が飛び込んできた。布団もいつも使っているものより、すごく暖かく、ふわふわで、疲れなんて吹っ飛ぶ心地よさ。辺りを見渡すと、どうやら日本ではない。
「のぶくん、起きてる?食堂でミーティングだよ。みんな集まって来てるよ。」
どこかで聞き覚えのある声・・・。メグミンだ。ミーティング?食堂?寝間着から着替えようと思い、なぜか体が自然と動き出し、服を取り出す自分がいた。
「ALL JAPAN」
この一文字が目に飛び込んできた。そして、カバンにはいつも部活で使っているラケットケース。何が、どうなっているんだ。着替え終わり、洗面台で顔を洗う。鏡に映る自分の顔は、すごく、引き締まっている。
食堂に行くと、メグミンがオレを呼んでいる。他にも自分と同じALL JAPNのジャージを着ている人ばかりである。見覚えのある人たちがそこにいた!
「水谷選手!張本選手!丹羽選手!さらに、世界ランク1位の馬龍選手、張継科選手!」
テレビでしかお目にかかれないような人たちがそこにいた。慌てて席に座り、メグミンに聞いた。
「メグミン、ここはどこ!?」
「まだ、寝ぼけているの?ここは、オリンピック選手たちの選手村にある食堂じゃないの。」
「メグミンって、卓球やってたっけ?」
「はぁ~、寝ぼけてるみたいだけど、私これでも世界大会の常連だし、のぶくんとダブルス組んで、混合ダブルスで最近の試合でも優勝したじゃん。目覚めた?」
「え!!!!!!!!!!!!!!!」
自分を落ち着かせるために、一度目を閉じて瞑想することにした。1分ぐらいだろうか、再び目を開けると、見覚えのある天井が見えた。自分の部屋だ!
「のぶ兄~、起きた?」
妹の瑞貴の声だ。一体さっきは何だったんだ。きっと、夢だろう。だって、オレがALL JAPANで、日本代表の選手なんてとんでもない。高校2年生で、ろくに県大会に出ても、2回戦レベル。そんなオレがオリンピック選手。あきれた夢だと思う気持ちと、ワクワクする気持ちが込み上げて、より一層今日の部活がやりたくてしかたない気持ちになった夢だった。
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