第3話 1月3日

 今日で正月休みが終わりという人が多いだろう。オレも今日までが休みで、久しぶりに名古屋のゲームセンターに行って、朝から晩まで思いっきり遊ぶ予定は立てていた。昨日の寝る寸前までは。昨日は昨日で、いろいろありすぎた。特に、一番の今年最初のお年玉が、夢葉の着物姿を見れて、しかも一緒に福袋を買いに出かけるという、リア充感が満ちた1日になった。もちろん、それだけではない。夢葉と一緒の夢を、恵を初夢で再会したということである。さて、そろそろ起きるか…。


何か、普段の自分が使っている布団なのに、いつもと何かが違う。なんだろう…。まさか!?自分の下半身の感触を確認した。問題なし!いつも通りの元気さだ!そこではない!匂いだ。懐かしい匂いがした。何だろう、気になって仕方がない。反対側に布団のなかで、寝返ると今度は、自分の顔の目の前に、どこか見覚えのある顔が現れた。

「・・・・・?!メグミン!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ふわ~、ん?のぶくん、おはよう。のぶくん?!なんで私、のぶくんの家にいるの?!しかも、のぶくんの布団のなかで一緒に寝てた?!」

「それは、こっちのセリフだ!メグミンこそ、なんで1年以上も連絡くれなかったんだよ…。なにがなんだが。夢葉も心配してたんだぞ。」

「ん?どういうこと。昨日のぶくん、夢葉と3人で名古屋に遊びに行ったばっかじゃん。のぶくん、何言ってるの?」

「それは、こっちのセリフだ。一体何がどうなっているんだ…。」

自分の部屋の扉が急に開いた。

「のぶ兄~、起きた?~」妹の瑞貴が入ってきた。

「いったい、誰としゃべってるの?朝から大声で叫ぶし。お母さんが、ごはんだって。早く降りてきて。」

「のぶくん、妹がいたんだ。知らなかったよ。しかも、可愛いし、胸も・・・!負けた。」

「いやいや、そこじゃなくて、どうして、瑞貴はメグミンのこと気づいてないんだ?それに、メグミンも瑞貴とは何度も会ってるだろ?」

「のぶくん、私、妹さんとは初対面だよ。のぶくん、頭のねじがさらに抜けたんじゃない?締め直そうか?」

 メグミンが、オレの背後に回って、腕十字固めをする。苦しさと、柔らかさの2つの感覚で、おかしくなりそうだ。

「ギブ!わかった。百歩譲ってそうだとしよう。ただ、どうしても腑に落ちないのが、瑞貴はどうしてメグミンに気づいてないんだ?男女が布団に一緒に寝てた。その光景をみたら、きゃあ!エッチ!お兄ちゃん、キモ!って叫ぶでしょ。でも、何事もなく、扉を閉めた。メグミン、どういうことだと思う?」


 振り返ったら、メグミンの姿がない。布団のなかも確認した。どこにも隠れていない。今、数秒前まで話していたメグミンが消えたのだ。何がどうなっているんだ。まだ、オレはどうやら夢のなかにいたようだ。オレは、着替えて朝食を食べに下の居間に降りた。

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