血を分ける

シュワシュワと、聞いているだけで高揚してくるような音を立てて、うっすら桃色に色づいたシャンパンの泡が弾けた。ほとんどテーブルを舐めるように近づいて細身のグラスを見つめていると、縦横比の崩れた大きな瞳がグラス越しに笑んでくる。

「飲んだ方が楽しいよ?」

場慣れしているかのような台詞が癪だ。答えずに半眼で一瞥すると、ピンクのレイヤーで薄紫に変わった瞳は臆せず見つめ返してくる。前景で浮上し続けている微小な泡が時々煌めいて、浮世離れした色と相まって眼の中に宇宙を拡げる。眩しくはないが、絶えない星光。雄大な美しさで刻一刻移り変る幻想的な彩り。やはり信じ難いことだ。向こうからも全く同じ景色が見えているなんて、本当にいったいどんな星の巡り合わせなのだろう。

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