灯をぼかす
右から左へ過ぎゆく街明かりは無機質な白か疲れを溶かす橙か、相対する二色のようでいて、様々に光る。角砂糖のような白い光。ぼんやりと浮かぶ薄黄色の玉。大きな四角、小さな四角。SOSのように幽かな白の光源。人の数だけ灯っている街の火は、そこに生が息づくことを示唆すると言った方が健全なのだろうが、私の目には時々、命を燃やしやがて自身があたたかく照らす街そのものを嘗め尽くす業火が見えてしまう。窓ガラス越しにぼやけて輝く街の遠くで、私の矮小な空想を笑い飛ばすようにチカチカと明滅する灯が見えた。
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