星を詠む

目を閉じると、目蓋の裏に星屑が一つから二つへ、三つから四つへ、時間をかけて無数に増えていく。今では昼間でも見に行ける星空は、ぼくが語れない心を歌い始めた時から、眠る前に現れるようになった。はじめは小さく白く、瞬くたびに消えそうだった星は、ぼくの言葉の数だけ増えていき、眩しいほど空を彩っている。ぼくだけが知る常夜には、プラネタリウムで教えてもらえる星座はひとつも浮かんでいない。無秩序で、仕舞いきれなかった玩具が散らかったままの子供部屋のように無邪気で稚拙な、未完成の世界。満天の星空と言うには荒削りな光と定まらない行き場で煌めく星たちを、ひとつひとつ確かめて在るべきところへ放つ。そんなイメージで、便箋に綴った言葉に音を与えていく。

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