第2話
2話
恋が始まったのは、憂鬱な暑い日のことだった。高校に入って2度目の夏が来ていた。
その日はけいの体育祭実行委員が終わるのを教室に残って待っていた。教室から実行委員が活動しているのがよく見えた。
先生に頼まれていたプリントの整理も終わり、しばらく外を眺めているとけいが隣のクラスの女の子と親密に話しているのが見えた。普通の人なら嫉妬するような所なのだろうが、私は相手の女の子に凄く気を引かれた。きっとここでもう恋が始まっていたのだろう。
私は女だから、当然好きになるのは男だろうと世間一般の認識を今まで押し付けられて来たがこれが恋だとわかった時なにかが弾けた気がした。
女の子の名前は、ゆずといった。ゆずの行動に女の子らしさはなかったが顔や体型は女の子らしさが溢れていた。意識していると隣のクラスという事もあってよくすれ違った。
すれ違うたびに匂う温かな香りもいつも同じ位置に止められているピンも長い髪も私は好きになった。
ゆずを意識しだしたのは夏休み前の事で夏休みの間私はゆずを観察する為に毎日学校に通い部活の練習をするゆずを教室から眺めた。
夏休みが終わると体育祭がやって来た。
玉砕トライアングル 瀬谷このは @Konoha_seya
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