第2話 迷宮の中身

 扉が放たれると、そこは国の大聖堂もかくやという荘厳な造りの教会であった。

「馬鹿な!封印以前はたしかに洞窟だったぞ!」

 バーグ団長は声を荒げて焦燥をあらわにした。

 しかし、先に行ったはずの第一王子の騎士団と冒険者たちはどこにいったんだ?同じ扉から入ったはずなのに、、、

 聖堂は5人は座れる長椅子が騎士の整列のごとく整然と並べられ、正面奥にある窓は、見たことのない神の肖像を模している。

 そのガラスから目線を下ろすと 、一人の男が、跪き祈りを捧げていた。その男は司教のトップと言われても納得できるほど敬虔な様で祈りを捧げている。

 そんな光景に誰もが唖然とする中、さすが騎士団団長というべきか、バーグ団長が、

「ここは王のおわす王宮の地下であるぞ!そこの神父!それにここは迷宮だったはずだ!なぜ教会になっているんだ!」

 と、声を荒げる。

 しかし神父であろう男は、まるで動じず、跪くのをやめ、振り返る。

 そこにあったのは老人の顔ではなく__ただただ白い、のっぺりとした仮面であった。

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