おかしなひとだねぇホントに

 今日は何を思ってか、師匠がチラシに描かれていた手相屋さんに私を連行した。そして、怪しいオバサマに五百円払い、私を置いてった。なんてことだ。

 結果は「結婚できるとか、なんとかで、現実的で夢がなく、合理的で運命線が薄くて、なんだか素敵な人がいたら結婚して、理系よりで数字に強くて、介護福祉とか先生とかデザイナーに向いている」らしい。(以下要約)

 うーん。わからん。怖くて、怪しくて、自分のお店に帰りたくて、手をべたべた触られた。オバサマこわい。むり。おんなのこ、むり。師匠のいじわる。


 次にやっと帰れたと思ったら、今度はまたも何を思ってか、目の前のネイルサロンに連れてかれた。黒髪の綺麗なお姉さんとお話しして、師匠が一言。「高いね」うん。けどこれ、安いほう。一万とかするから……。

 そのため、私を一人お姉さんと残し、消え去った。えーーーー!!怖かった。師匠のばかぁ。このなすぅ。


 そんなこんなで、嫌いな奴にアダ名を付けた。「スコラ野郎」である。スコラの意味は自分で調べてくれ。デカルトおじさんだから。我思うゆえに我あり。疑う我の存在は、疑えない。不完全な我々はなぜ不完全なのか。それは完全なる神の存在を知っているからだ。


 友人から、沖縄に行こうと誘われた。クソ行きたい。けど、家のことを考える。嘘。本当は考えず、無理だと結論を先に出した。

「半分出す」「ボケ」「自分を優先しろよ」「遊ぼう」「勿体無い」「俺と楽しもう」ループする言葉。

 自分のあまりのしょぼさに、ぼろぼろに涙を流しながら、「うん」と返事をして、オーリーの練習をすると誓った。ジャンプらしい。


 現実がつきまとい、恐怖が襲っては、心臓が揺れる。逃れたいがために、血を送るという役割を捨て、震えるのだろうか。「病院行けよ」やだ。怖いもん。ティーンエイジャー、舐めんな。ばーかばかばか。


 名前を呼び、「おう」の一言。何か伝えたくて、けど浮かばなくて、ありがとうでも大好きでもごめんでもなく「かたじけない」と「めんぼくない」の二言を送った。未だに何を言えばいいのか。目の前にいなくてよかったと思いながら、いてほしいと思い、爪をいじる。べーっ。


 もう今日はおーーーーわりっ。

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