ブラックジャックを読み、ピノコになりたいと願う。

 定期的に、心臓が縮まるような感覚に陥る。血液の循環を行うパイプがぎゅっと握られたような。たった一回の握りしめに、数秒鼓動と呼吸を落ち着かせないといけない、時間の無駄遣い。疲れてるのかな。数年前までは、こんな高い頻度じゃなかったのに。怖い。死にたくない。死にたくない。死にたくない。

 あれほど死にたいと呟いて、試そうとして、想像してきたのに、少し体験しただけですぐに怖くなる、この命。命ってなんだ。頭の中なのか、身体なのか。脳死は? 社会的な死は? 大好きな人と会えないのも、ある意味、幸福の死。大好きよ。大好きよ。大好き。

 心臓は、ハート型。ヴァレンタインのチョコレートと同じ形で、ミケランジェロのダビデ像の瞳をしている。愛は、ハート型じゃない。イコールでは書けず、大なりでもなく。愛は愛。高血圧な血の流れと一緒。

 みんな、休息が必要なのよ。人生の休息が。ずっと何かに追われちゃ、いけないのよ。疲れた。大学なんてもんも、仕事も、家も、クラスメイトも、宿題も、課題も、何もいらない。大好きな音楽と友人と、散歩とソファーだけがほしい。それで歩き慣れた町から少し外れて、見慣れてきた街を歩くんだ。大好きな人と一緒に、大好きな服を着て、大好きな話題を話して。疲れた。放っておいてほしい。疲れた。眠りたい。誰にも起こされず、泣き声も、怒鳴り声も、アラーム音も聞こえないまま、起きたいときに目覚めたい。何も心配せず、暖かいベッドから起き上がって、紅茶を作って、スコーンを食って、映画を見たい。図書館へ行って、ナショナルジオグラフィックも雑誌を読んで、小説を借りて、スーパーで飲普段飲まないものを買って、飲みながら人混みの中を歩いて帰る。天候は雨じゃないのがいいな。雨だったら、こもって映画かゆーちゅーぶさん、アニメか小説を読むの。それでご飯を作って、友人による電話して、寝落ちぃ。いつのまにか、次の日になっている。ちょうど、去年の生活。


 いつのまに、昨日になっていた。しんや。まよなか。れいじをこえていた。おやすみ、世界。おやすみ、私。鼓動よ、動け。停止するのは、もう少し先にしてちょうだい。働かせてばかり、ごめんよぉ。

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