ゴミ箱からは、美味しかったバナナの臭い。

 誰も死なないでほしい。なんて、いつも死にたいと思っている私がいう。馬鹿みたい。馬鹿みたい。馬鹿なんだよ。中途半端で、何も考えてなくて、嘘つきで、使い物にならない物ばかり掻き集めては捨てて、リスクを犯して「何がしたいの?」なんてママに聞かれるの。けど答えられることは何もなくて、十歳の女の子みたいに、泣いてしまう。

 ママ、ママ、ママぁ……私を置いてかないで、私とママとパパと一緒に川の字に眠るの。ママは左で、パパが右。私は右側に見える、大きなカエルのランプに明かりをつけて欲しいって、ママに言うの。ママは「ちょっとだけよ」って言って、暖かい色を真っ暗だった部屋に灯すの。彼女は光。太陽。

 パパは夜遅くに帰ってくるの。ずっと帰ってくるまで、寝ているふりをしながら、時折部屋の端っこを見つめては、広がる闇を恐れた。怖い。黒は怖い。パピーの大きな背中が恋しい。

 私、夜が怖かったから、きっと眠れなかったの。それだから太陽が昇るまで、ぬいぐるみと演劇をしたり、物語を考えたり、アニメを見たり、小説を書いたり、読んだり、友人とメールを送りあっていたの。きっと怖かったから。夜は怖い。夜が好きって言ってたのは、きっとそれを紛らわせてくれた友人たちとのメールが楽しかったから。きっとその気持ちを紛らわせてくれた、文章を書く行為が好きだったから。夜が怖い。眠りに就き、目覚めるまで。意味のわからない恐怖が襲ってきては、バットで殴る行為を行う。夢で大好きな人たちが出てきては、恋しくなるような場所へ行っては、平穏。

 朝は苦しい。苦しさでいっぱい。今日も一日が始まってしまったのだと実感して、ごろり。枕元にあるスマホを手に取っては、無駄な記事を読み、やっと起き上がる。


 人。人々。あなた。私。君。そち。友人は、お薬と一緒。文字を書く行為はカウンセリングと一緒。私は、何者。わからない。


 山が唸るのを聞いて、騒がしく思う。川は囁き声、滝は怒鳴り声、あなたを眠りに誘う。


 朝起きて、隣に誰もいなくて、ソファに向かうと、あなたがいた。寂しいから隣に詰め寄って、腕を肩に回して、瞼を閉じる。安堵。お昼まで、眠って、空腹になってから飯を作る。曲を流しては、歌詞を口ずさみ、フライパンの中身を搔きまわす。


 おなかすいた。かえりたくない。こわい。


 スケボぉ、練習したかった。昨日、雨が降ってたから「大丈夫かなぁ?」って思ってたの。ちょっとそこらへんを考えたら、ボードがしけるから辞めてよかったかなぁとか、理由を正当化。無駄。ごめんよぉ、ごめんよぉ。

 別の日に、行きましょ。もっと涼しい時に、行きましょ。暑いのは、私もやだから。(あなたといると、頭痛があまりおこらない)


 明後日から、学校。お昼から始まればいいのに。めんどくさいなぁ。

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