ほら私優しいから、言葉にはしないで、治れーって祈るの。

 水を浴びるほど、透明に、白いスカートを硝子に変化する花があると知った。名前は三荷葉サンカヨウ。青紫の実は甘くて、夕焼けのような色彩を身に纏っている。

 雨が降れば、透明に。半透明よりも、白くあれ。中心部分は黄色く光り、職人が羨む繊細さが浮かぶ。

 私、この花になりたい。水に触れるほど、色を無くし、いつかは消えてしまうんじゃないかと不安になるの。けど消えず、そこにいる。白く、白く、光あれ。


 ———


 数メートル先に男子が二人、向かい合ってスマホであることを調べてる。


「星座占い」


 「俺の恋愛運高い〜」「五月生まれの人、誰いたっけ?」「良い関係を築きやすい」「俺も〇〇と相性いいってこと?」

 可愛いなぁ。気になる子でも、いるのかな。


 ———


 師匠に「お前やっぱり変なやつだな」って言われた。いつも通り、師匠も変なやつ。理由を聞いたら、これの前の話で


 綺麗なだけの文章書きたくない。嘘ばかりで固められたのではなく、肉を持った、命あるものを書きたい。生々しいとよく言われるけど、そう言ったもの。それよりも、腰の細い女の子に一度はなってみたいものね。


 と書いたから。文章の話から、腰の細い女の子に突然話題が変わったからだって。「それよりも」の使い方がなんだっけ……面白い?とかって言われた気がする。面白い面白い。思っていた順番で書いたら、こうなったのみ。いいでしょー!


 ———


 友人が「痔になった」ということを書いていて、電車の中では笑い転げそうになった。痔って、お前……やばいな。まっずいラーメンを食べ過ぎたらしい。

 笑い転げそうになったって送ってあげたら「本当に痛い」とのみ返事が届く。また、笑みが浮かびそうになるのを、必死に抑える。まだ、電車の中だったから。大変だった。


 ———


 一人では何もできぬという、あいつに言いたい。生は一人では起こらず。だか、死はどうだろう。どんな人でも、独りで死する。生は複数。死は一人。あいつは何事も一人ではできぬと言った。私はそれに同意せず、一人寂しく死を待つのみ。メメント・モリ。死を待つのみとて、我はそれ拒む。だって、まだ死にたくないもん。


 memento moriという名の画家がいた。とても素敵な絵を描く人で、個展なども開いていた。行きたかったなぁ、アカウントを消す前に。名前とあの素敵な絵しか、覚えてないから。


 この前思ったこと。

「あ、この人いま私のこと独り占めしてる」

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