ざわり。心臓が叫んでいる。

 お昼から、心臓が痛いの。ずき、ずきずきずき。いつも以上に長い。いや、いやいやいや。痛い。どうすればいい……?


 食べ過ぎた。お腹いっぱい。


 今日まで、劇があったの。計三日。長い。もう、やりたくない。本番、結果一度も見れなかった……。いつも裏方のお仕事。演技の先生、苦手だから。

 観客には見えないけど、裏方の方が頑張っていると思うの。役者たち、なんやねん。私たちの話聞けや。てめぇらの声、うるせぇんだよ。もう疲れた。

 二度目の公演前に、休憩があった。メイク係の子たちが、暇つぶしにお互いに化粧をしていたの。ぺたぺたぺたぺたしゅっしゅっしゅ。眉毛、濃すぎるだろ。ラメも付けすぎ。全体的に重すぎやん。そう思いながら、ボーッと行くあてもなく、見ていたの。親しい友人は多分音楽室。今日は一度も会ってない。会いたい。ヴァイオリン、カッコよかったよ。お疲れさまって言いたかった。

 数分間、女の子たちのじゃれ合う姿を眺めていたのだけど、無理だった。むさ苦しさが欲しい。猛々しいが足りない。なんて思い、一人放浪の旅に出ました。「女の子」過ぎて、辛かった。

 てくてくてくてく、あ、ごめんどいて、ありがとう、……邪魔、ん、てくてくてくてく。いなかった。誰一人、暇そうな知り合いがいなかったのです。

 私の社交性のせいなのか、人がたくさんいるのに知り合いと巡り合わなかったという。つらい。もう無理。

 結局、きゃっきゃっ可愛合っているゾーンへ戻ることに。つまらない。女の子、もうやだ。桃色やレモン色に染まった空間は、当分大丈夫だから、深緑や錆色が欲しい。

 なんて思った日です。


 社会は同性だけでは成り立たない。かといって、異性だけでも成り立たない。結局、性別の混合化が必要なのだろう。

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