ポップなのを書きたかった……。
メンヘラコンのボツを載せてみる。
ボツにしたのは、ラストを諦めたから。
———— ▶️ 🔪 💔
クラスの男子に「オマエって、メンヘラだよな」なんて言われた。私に話しかけてくるとか、マジいやだー。
メンヘラ……。はあ?
私、普通だし。ぴゅあできゅーとながーるだし。メンヘラなんて、意味わかんなーい。
「何言ってんの? 私、メンヘラじゃないもん。死にたい系じゃないし、生きたい系だし、バーカ、シネ」
ぴかーんと中指を突き立てる。ピンクゴールドの指輪がきらり。ビビットピンクのハートピアスがしゃりーん。
「オマエの方こそ、バッカじゃねーの? 生きたい系ってなんだよ」
ガハガハ笑われる、ぴかーんと突き立て返す。むかむっかー! なんなのあいつ、中学の時に私のこそが好きだって、「付き合ってくださいっ!」って真っ赤にながら言ってきたくせに、いやだーいやだ、いーやーだー!!!!
みんな私のこと、カワイイって言ってくれるし、カレシにも「○○ちゃんってウサギさんみたいで、カワイイよね」って言ってくれるし、私、リスカなんか卒業したもんねーだっ!
「ふんっ」
バカな子とは私、お話したくありませーんっ! サラサラだと褒めてくれた黒髪をなびかせ、私様、退場!
「メンヘラじゃないもん……」
ボソッとだけ、そう心の中で呟いてみる。
——じゃないもん——
なぜかその部分だけリピートされるから、カレシ(ホントは彼ピーって呼んでるんだけど、「ぼく、流行りには乗りたくない」なんて言われちゃって、禁止されちゃった)との思い出の曲を大音量で、脳内で流してみる。
——♪ ——♪ ——♪
やっぱり、いいなー。
今日は放課後デートがあるから、特別にツインテなのですぅー! そんな髪型をゆらりと揺らしていると、後ろから、
「○○ちゃん、ねぇ、○○ちゃんったら!」
知らん人に話しかけられた。もう、うるさいっ! 私はいま、いやぁあな気分なのっ! カレに会う前に、ステキにならないといけないのー!
もうっ! けど私、優しいから返事してあげる。
「ナァニ?」
ソワソワ、ソワソワ。今時「マジかー」ってなる、少女漫画のヒロインかよっ。
「○○ちゃんの彼氏が、これをって……さっき渡されて……ぁの、ごめんなさいっ!」
そう言って、手に持っていたもんを押し付けて、逃げちゃった。よし、キーメタっ。あの子は、名無しのなし子。私の信者候補の一人! よくね? マジで特徴もなんもなし子(笑)もじもじしすぎて、ウザいけど、まぁーいいよねー。
強引に渡されて手紙が、手元でごわごわ。少し手首に残った傷が、見えかけちゃった。やっばー。まーいっか。
手紙は真っ白な地味なやつで、開けるところに『キティーへ』なんて癖っ毛の強い文字で書かれている。あ、カレの字だ!
ふふーん、こういうことは直接私に渡せばいのにー。かわいいなー。
ドキドキしながら開けてみると、ノートの切れ端みたいな紙が一枚だけ、入ってた。
『キティーへ
今日のデートは、校門で待ち合わせにしないで、いつものカラオケところにしよう
先に部屋で待ってるから、ゆっくり来てね。部屋番号は5階の505。
君の彼氏より』
なんて書かれていた。
きゃーーー!! なんだろう? なんか用意してくれてるのかな? まさかのプレゼント? 付き合って、二週間と五日の記念日だから? 二人で手を繋いで投稿した十五度目の日だから? 部屋番号まで、階数も五! 私を『キティー』って呼んでくれた三十五回目の日だから? あっ! 今日は五の日!!!
ドキドキソワソワ。名無しのなし子みたいに、ソワソワしちゃう! やばっ、どーしよ。
🔪🔪🔪
手首から溢れていた
真っ赤っかな液体がドバドバドバドバ💉
それが私の愛の色なんだー!
だーぃすき💓すきすきすきぃ
🔪🔪🔪
チャイムが鳴って、荷物を急いで持って、トイレに駆け込み乗車! 可愛い洋服に着替えて、メイクをして、いざ戦場へ! 出る途中、知らない子たちに「うわぁ」なんて言われちゃった! 私が可愛すぎたからかな?
彼から手紙もらうなんて、初めて。ハジメテ。はじめて。(笑)けどくれるなら、直接もらいたかったなー。チョットそこら辺残念だけど、名無しのなし子を呪っても何にもならないもんねー。
——♪ ——♪ ——♪
てくてく、きついヒールを鳴らしながら進み歩いていると、いろんな人が私を見る。
きょうのファッションは、フリルのたくさんついた黒スカートに、†マークが中央で陣取っている、雪色のブラウス。ピンク色のニーハイはいつもとは違ったやつで、ラメがキラキラしてるのー! どーしよ、可愛すぎ!
五階まで、タバコ臭いエレベーターに乗って、レッツゴー。
コンコン、キツネさんの手形をして、真っ黒なネイルで叩く。
そーして、おーぷんっ!
🔪🔪🔪
アタシ、信じてたのに
信じてたんだよ。一生一緒にいてくれるって
ソレなのに、ソレなのに…
死ニタイ 死 誰か、タスケテ
アタシ……どーしよう、もう生きたくない
どうしてアタシ、こんなんなんだろ…
やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ
ねぇ、
ねぇ、
起きてる?
私、やっぱ別れたくない
死ニタイ
ねぇ、どうして
私の何が悪かったの?
ワカンない。ワカラナイょ。
ねぇ、ねぇ、やだ、私、サビしい
……………
🔪 ⇒ YES OR NO
▷ YES 💉 🏥
GAME OVER.
🔪🔪🔪
#病み垢始めました
#病み垢さんと繋がりたい
#病み垢
#病み垢さんと仲良くなりたい
#ツライ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます