数字。数学。数式。数。かず、カズ……。

 あいみょんの「愛を伝えたいだとか」が好き。とか、赤が目印のアイコンを開きながら、思い出した。好きっていうことを思い出す。なんだか、変な感じがするけど、本当にそう思ったのだから、しょうがない。

 友人の「雪が降ると、何でも可愛く見えるね」という言葉に「おっちゃんも?」と聞いたら「私が可愛いっていうのは、女の子だけ」と怒られてしまった。真っ白で、ふわふわで、軽くて、冷たくて、浮かんでいるもの。ふわり、黒いコートに乗っかり、梅の花が咲いたとさ。花弁ひらり、飛んだとさ。さっさっさっさっ、雪かきされて、まだ咲かぬ桜の枝が震えた。ぶるっ。さっ。とんっ。


 友人がこのエッセイを読んでいる。(厳密に言うと、まだ去年のを読んでいる途中らしいけどね)理由を聞いたら「私の好きな人の書いている作品だから」って、当たり前みたいに言った。凄いなぁ。「じゃあ、他人はどうしてだろう。私のことを知らない人たちが読んでいて、なぜかわからないの」「……」「どうしてなんだろう」


 母によく、「あなたの書く絵、怖いわね」と言われる。友人には、凄いと言ってもらえて、知らないお姉さんに綺麗だと言ってくれた。「目が怖い」「目が特徴的だよね」「どうして紅蛇は、目がそんな好きなの」「ずっと人の目を見ていると、ぼやけて四つになるよね。蜘蛛みたいに見えて、怖い」「どうして目しか書かないの?」「わからない」「私、紅蛇の絵好きよ」「ありがとう」「書いてみたい」「(私はあなたの繊細な線が羨ましい。——太く、何重にも重なり合って、色が混ざり、消えていく)」


 私は、明るい色じゃない。きっと、暗い色を何重にも塗り重ねた、キャンバスみたいなんだ。枠の中、額にも、裏側にも塗ってある。それに、半透明のテープが貼り付けられている。ぺた、ぺたぺたぺた、ぺた。白いけど、半透明だから、中身が透けているの。浸透。暗い色は、何色もあって、どれも似たようで、別の色なんだ。だから、虹色。それに加えて、原色がべちゃっと投げられている。べちゃっ、さっ、かちゃ。


 小説よりも、音楽に影響されているかもしれない。


 猫目。猫背。猫舌。ねこねこ、こーねこ。

 眠い。寝よ。睡眠。ずずっ。ありがとう。

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