多分、今眠いから。
あなたはそこらじゅうにいて、わたしもそこらじゅうにいて、人はそこらじゅうに居合うものなのかもしれない。そこらじゅう。じゅう。かいじゅう。がおー。
赤縁メガネ、真っ青なフォー付きコート、歩くたび愉快な音がするピンヒールブーツ。
そんな格好をした、お姉さんがいた。コスプレをしたみたいで、なんだか面白かった。お姉さん、私あなたの服装、好きよ。
一回り大きなサイズの靴が、かた、ことん、かた、ことん、と微妙なリズムを響かせる。どうして、自分の足に合っていない靴を履くのだろう。歩きづらいだろうに。見ているだけで、心配になる。
かた、ことん。かた、ことん。
私は「あなた」を平仮名で書く。「私」は漢字で、一度試しに「わたし」と使ってみたけど、平仮名が並んでいて、読みづらくてやめた。
「〇〇しずらい」なのか「〇〇しづらい」なのか、どちらが正しいのかわからない。判断しzurai。
読もうとした本が借りられていて、しょうがなく『センセイの鞄』を読み返す。嘘、借りられていなくても、読む予定だった。ご飯がおいしそうで、お鍋が食べたくなってくる。
ジャスミンのお茶を淹れ直したら、そこに残った苦味が一気にコップに流され、喉に流され、苦かった。私、ジャスミンは優しく包み込んでくれる存在だと、信じていたのに。騙された気分がした。
それでも、まだ飲むけど。
得意げ。自慢げ。アホ毛。
休憩中なのに、自分の担当していない棚なのに、書架整理をしたくなった。本の並びがズレてる。場所が違う。破れかけてる。もどかしい。
髪を切りたい。今日は邪魔な前髪をDua Lipaみたいに止めた。ぴちっ。けど今切ったら、寒いもんな。そんなことを思ってしまって、ぼーっとする。
桜、早く咲けっ!春よ来いっ!暖かさよ、命よ、眠気よ来いっ!春眠暁を覚えずと唱えながら、日向ぼっこをしたいっ!
紫色なのか、臙脂色なのか知らないけど、いつも着ているパーカーが好き。ポケットが左右別れてなくて、真ん中に大きくあるから。厚さも、良い感じ。中に長袖を着ても、イライラしない。
腕を捲って、ポッケに手を突っ込んで、ガムを膨らませる。腕時計が照明に反射して、きらん。そうして、ぱちん。辺りにミントが弾ける。
マグカップが好き。見ているだけで、楽しい。棚に並べて、飾っておきたい。それで気分で使うものが、変わっていくの。ふふっ、いい。
気に入っていた指輪が割れたことを、急に思い出した。親指にしていたんだけど、落としちゃって、ぱりん。ぱりん。ぱりりん。凄い、悲しかったな。
猫が欲しい。なんて今まで思っていたけど、犬もいいよな、なんて思い始めた。
小型犬は、あんまり好きじゃない。チワワとか、トイプードルは苦手。テリアとかなら、少し大丈夫。ビーグル、来いっ。
媚び売ってくるような種類が苦手なのかもしれない。それとも吠え方。キャンキャンしてるの、無理。なんか、小さいくせして威嚇して……無理しないでってなる。
大型犬の方が好き。カッコいい。お婆ちゃんがシェパードを飼ってて、素敵だった。(元は母のだけど、日本に来ちゃったから……) 賢かった。
けどなぁ……やっぱり爬虫類が一番だね。(え、猫は!?)
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