「知らないことがあったら、調べるべきだ。今はすぐに調べられる時代だから」
久しぶりに、父の夢を見た。静かに、何も言わず、立ちすくむ姿。最後に見た父の夢は、父を抱きしめ「よく頑張った」と頭を撫でてくれたものだった。
今日の夢は、口無しで、表情が見えなかった。けれども怖いとは思わず、本棚に置かれているマトリョシカの存在のように、懐かしく思うだけだった。
大人たちが酔う時にしてくれる、話が好き。夢を語るように、純粋に、楽しげに話す彼らは、話を聞いて笑っている私よりも、子供のようだった。いや、その時だけ子供に戻るのかもしれない。遊び疲れながら帰宅する少年たちのように。きっと母にその日の出来事を話しているの。楽しいことも、辛いことも、悲しいことも、焦ったことも、喜んだことも。私はその場にいないけど、話してくれる場面ばかりが目に浮かぶ。
一番、その人が現れるのかもしれないね。なんて、飲まない(飲めない)私がいう。大人になったら私は酒飲みになると、親戚たちに言われたのを思い出す。微妙ね。嬉しくないわ。
父と酒で浮かぶことは、「生まれ変わっても母と巡り会いたい」と嘯く姿であった。母は、どういう気持ちでその言葉を聞いていたのか、私には、わからない。
どうも駄目だ。今日は、いけない日。
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