第02話 原点回帰委員会
ジャーン!
ジャンジャジャンジャーン!
ジャガジャンジャカジャンジャンジャン……
軍歌のイントロのような曲が流れ出した。
右翼の街宣車のような、いさましい音が。
黒い画面はムラがあり、保管状態の悪い大昔のフィルムのようになんだか汚らしく、古臭い。すみには、チラチラ糸くずが映っている。
軍歌が始まるとともに、ぼわーっとぼやけた白文字が浮かび上がる。
文字が出ては、溶けるように消えていく。
還れ。
還れ。
原点へ。
恨む。
怨む。
魂魄、雲星霜を突き抜け幾千里。
見ているぞ。
見ているぞ。
魔法女子ほのか
原点回帰委員会
九月弐拾四日
まほのへの
作品への、
観る者への、
愛すべき者への、
愛を無くした
金欲亡者どもへ、
原点回帰委員会が
いや、
否
天が
地が
入が
天誅を下す
裂けよ
落ちよ
見よ
見よ
金欲亡者どもの末路を
突然、映像が切り替わる。黒背景からセピア色に。
これまた古臭い映像だ。
セピアの画面の中に、戦車が映っている。
ヨーロッパだろうか。外国の、街の中だ。
BGMに、エ○ヤのヒット曲が流れ始める。
♪タッタタタッタ
フェゼアシャドウ……♪
曲の中、戦車に追われ、逃げ惑う人々。
戦車が突進で建物を破壊するシーンを集めた映像である。
壊す、壊す、建物に突っ込み、砕き、突き抜け、破壊の限りを尽くしている。
○ンヤの曲が終わるまで、それが延々と続けられた。
エン○の曲のフェードアウトに合わせて、画像もすうっと溶け消えて、画面は真っ暗に。
真っ暗に。
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