第11話 いつもバカバカいわれてるんですが

「告白しちゃえば、いいんじゃないですか?」

「んな正直にいえるわけないだろ」

「普段ひねくれているんだから、こんな時くらい素直にならなきゃあ。あ、だったら、私が気持ちを伝えてあげますから」

「バカ! 余計なことすんな! バカ! 分かったな!」


 悟は走り出し、街の中へ姿を消した。

 一人残ったほのかは、しばらく無言で立っていたが、やがて、


「なんか、いつも私だけが、バカバカいわれてるんですけどお」


 と、ぼそり。



『でも、確かに、いまのはちょっとデリカシーがなかったかもなあ』



 こつん、と自分の頭に拳をぶつけた。

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