第330話 機動戦士ガンダム00(2007-08/08-09年)

 さて、今回からのお題は『機動戦士ガンダム00ダブルオー』なのですが、いきなり訂正です。今までアルファベットの大文字オーを重ねて『OO』って書いてたのですが、今回の執筆にあたってWikiを調べたら、何と正式な表記はゼロを重ねて『00』だったという。えっ、何で!? と一瞬思ったんですが、よく考えたら初代『ガンダム』の最初のナレーションからして「宇宙世紀00ダブルオー79セブンティーナイン」だったよママン……。というわけで、これ以降は『00』と略記します。


 本作については、第一シーズン(2007年10月から2008年3月)と第二シーズン(2008年10月から2009年3月)の両方をリアルタイムで見ています。放送期間が、ちょうど半年のブランクを挟んでいるんですね。ちなみに、第一シーズンは、TBS系列土曜午後6時からの、いわゆる「土六」枠だったのですが、第二シーズンはそれが日曜午後5時に移った「日午後五」枠になっています。前者は自然発生した呼び方だったのに対して、後者はTBSが移動にあたって付けた枠名です。自然に付いたものを無理矢理動かそうとする態度に、凄く違和感を感じたんですよね。今でも長年慣れている視聴枠の移動には違和感を感じることが多いのですが、この「土六」は特に自然発生的なブランドだったのに無理矢理移動しようとしているのが何か納得がいかなかったという。


 ところで、この第一シーズンと第二シーズンの放送の合間はわずか半年なのですが、この間に私の人生は一変しておりました。結婚したんです。それも第一シーズン終了時は「彼女無し期間=人生」の妖精さん(※)だったのが、第二シーズン開始時には既婚者(当然経験済み)という。


※当時は三十五歳まで童貞だと妖精、四十歳まで童貞だと魔法使いになれるというのがネット上でのネタでした。現在では魔法使いと妖精が入れ替わっている模様……ってググって見たら三十五歳じゃなくて三十歳という説がひっかかりました。都市伝説系のネタなので色々とバリエーションがあるようです。


 『コードギアス』のときに始めていたネット婚活でも連戦連敗だったのですが、連戦連敗なりに女性とのデートの仕方というのは分かってきておりました。ただ、だからって続けられるものでもなく、初期費用で継続できる一年間が終わったら、すっぱりと結婚を諦めて婚活をやめ、一生独身でいようと覚悟を決めていたんですよ。その一年間の最後の月に、今の女房と出会ったんです。五月三十一日に出会って、八月十三日に入籍という超スピード結婚でした。なお、披露宴は空いてる日を探したら十二月二十三日、すなわち当時の天皇誕生日になったという。今年から祝日ではなくなってしまいました。「平成の日」として残してくれないかなあ。


 というわけで、第一シーズンと第二シーズンの間に結婚していて、第二シーズン中に結婚式をあげているんで思い出深い作品だったりします。閑話休題。


 とはいえ、思い出深い作品ではあるものの、だからといって好きかというと、大して評価はしていないという(笑)。いやね、詰まらない作品ではないんですよ。ここがダメだとかディスったり「クソ詰まんねえ!」って途中切りするような作品ではない。


 だからといって、手放しで「面白いから見てみろ!」って他人に勧められるかというと、そうでもないという(笑)。これが『LOD』とか『グレンラガン』なら「面白いよ!」って自信を持って言えるんです。『SEED』でも「癖があるから好みに合うかどうか分からないけど、私は面白いと思うよ」とは言える。


 でも、この『00』については、そこまで勧められるほど面白いとは思えなかったんですよね。ガンダムシリーズの中だと、ちょうど『F91』あたりに近いというか。良くも悪くも「フツー」って感じなんですよ。


 欠点も無いけど、ここが良いというほどの面白さも無いという。尖ってないんですね。個々のキャラとかには面白いヤツもいるんですが。だから、最終作にあたる『劇場版』は見てないんです。


 なので、一回で終わらせようかなとも思ったんですが、そこまで短く詰めるには情報量が多いという(笑)。


 ロボについては、次回にまとめて語ることにしまして、その前にまず世界観から。本作はガンダムシリーズとしては非常に珍しいことに「現代社会の直接延長線上」の未来世界です。いや、『Gガン』でもネオジャパンとか今の国家の枠組みがそのまま未来に行ってますけど、あそこまで変な世界観じゃないという(笑)。


 今のアメリカ合衆国が中心になって、南アメリカ大陸+日本とオーストラリアとオセアニア諸国がくっついた「ユニオン」、ロシアと中国が中心となってインドなどが加わった「人類革新連合」(略称「人革連」)、EUが発展した「AEU」の三大勢力が均衡を保っている世界で、その勢力圏の狭間で地域紛争などが起きていました。


 設定年台は西暦2307年なので、ちょうど放送時の三百年後ですね。化石燃料(石油など)が枯渇し、代わりに宇宙での太陽光発電でエネルギーをまかなっており、そのエネルギーのやり取りや宇宙への移動は軌道エレベーターで行われています。この宇宙太陽光発電と軌道エレベーターを支配してるのが三大勢力で、それ以外の地域は貧困にあえいでいるという状況なんですね。で、石油が枯渇しちゃったんで貧困地域に転落した中東とかで紛争が起きているんです。


 その紛争を根絶するために「ソレスタルビーイング」という組織が超強力MSであるガンダムで各地の紛争に介入するというのが、この『00』のストーリーの始まりだったりします。これ、やっぱり最初は『ノヴァ』を思い出したんですよね。目的は真逆ですけど。


 その一方で、イオリア・シュフェンベルグという超天才科学者がおりまして。こいつは21世紀末の人間なんですけど、ソレスタルビーイングの創設者でガンダムの動力源であるGNドライブとかを作ったんですが、その一方で未来を相当正確に予言しているという。


 これ、どう考えてもアイザック・アシモフの『ファウンデーション』シリーズのハリ・セルダンを思い出すんですよね。心理歴史学サイコヒストリーかよって。


 そんな感じの背景の中で描かれるロボについては、次回に語りたいと思います。

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