第325話 番外編 コードギアス 反逆のルルーシュ(2006-07/08年)
さて、今回は名作『コードギアス 反逆のルルーシュ』(以下コードギアスと略記)に行きたいのですが……私は今回、非常に悩んだ上で、あえて「番外編」と付けました。というのは、本作は外見上は完全なリアル系巨大ロボットアニメなのですが、実は本質的には巨大ロボットアニメではないと考えたからです。この理由については後述いたします。
本作は2006年10月から翌2007年3月にかけて、まず第一シーズン23話が放送されたあとで、その四か月後の2007年7月に第一シーズン完結編にあたる第24話と第25話が一時間スペシャルの形で放送され、その後2008年に第二シーズンである『R2』が放送されるという変則的な放送パターンになっています。この頃から第二シーズン以降を分けて放送する形が結構一般的になってきた気がします。
さて、本作を見る前頃に、私は一時的にオタク趣味からはなれていました。オタク断捨離と称して、コレクションしていた漫画やラノベや、アニメの音楽CDを売り払ったり、撮りためたビデオテープを捨てたりしていました。というのも、三十路に入って真面目に婚活を始めていたからです。この頃はまだ「オタ婚活」なんてありませんでした。オタク趣味は婚活の障害になると思っていたんですね。プロレスも見るのをやめたのですが、これはむしろ橋本真也が亡くなった影響の方が大きいでしょう。
ともかくも、お見合いのときに趣味としてオタ趣味なんぞを持ってることはマイナスにしかならんと思ったのですよ……この時は。しかしながら、実際にお見合いしてみると、今度は趣味の話がまるでできないということに気付いたという(爆)。いや、歴史趣味だけは一見真面目そうに見えると思って残してたんですが、この頃はまだ「歴女」とかも表に出てなかった頃なので、あまり話題にしても食いつきが良くなかったという(笑)。
だから、アニメのチェックもしていなかったんですね。まあ、婚活以外にオタ趣味に疲れていたというのも少しはあったのですが。
なので、本作も最初はスルーしていました。
ところが、私が本作を見出したきっかけというのが、実は婚活だったんですよ。
知り合いからの紹介のお見合いで四十戦無勝(笑)という戦績だったので、いい加減諦めの気持ちも出てきまして。それで最後に「コレで駄目だったら諦めて一生独身」のつもりでネット婚活を始めたんです。それが、実は疑惑の首都圏連続不審死事件で最高裁で死刑が確定した木嶋佳苗被告も使っていたせいで名前が変更になったサービスだったり(爆)。犯行期間とちょうどかぶってるし。危なかった……。
さて、そこで何度かオタクっぽい趣味OKな人に誘いをかけたものの、相変わらず玉砕続きだったところで、何とか初めてデートまでこぎつけられた女の人がいらっしゃいました。そこのデートのときに話題になったのが本作だったんですね。ちょうど本編第23話までの放送は終了していたんですが、ちょうど第24話と第25話が放送される前の狭間の時期だったんですよ。
せっかくだから共通の話題にしたいと思い、折良くCS放送で第1話から放送開始になったので見始めることにしたんです。第23話まで見終わったあとで第24話の放送になるというスケジュールが組まれていたのでありがたかったですね。
もっとも、肝心のお相手には二度目のデートのあとで振られてしまったのですが(爆)。
まあ、それでも『コードギアス』は面白かったので見続けると同時に、オタ趣味も少し復活することにしたという。何も趣味が無いよりは、オタ趣味でも話題があった方が少しはマシということに気付いたんです。同じ趣味の人をターゲットにする方がまだ成功確率が上がるかなと思いまして。まあ、結局のところ関係無かったんですが(笑)。
さて、余談だけでだいぶ長くなってしまったので肝心のコードギアスについて語りたいのですが、これは名作です。
母親を殺されて祖国ブリタニアと父皇帝から見捨てられた皇子ルルーシュが、ブリタニアに征服された日本(我々の世界とは違う世界の日本)の反ブリタニア抵抗組織に正体を隠して入り、ブリタニアを倒そうとするという話です。
そのルルーシュの武器は、目を見た相手に一度だけ何でも言うことを聞かせることができる特殊能力「ギアス」です。ただし、この能力は途中から暴走を始め、ルルーシュが命令と意図していない冗談まで命令として扱われてしまい、それが原因で悲劇が起こったりもします。
このルルーシュなんですが、一応「ナイトメアフレーム」と呼ばれる戦闘ロボには乗るものの、パイロットとしては全然大したことがありません。むしろ戦略家として戦争に勝利することと、戦術家として部隊を指揮して戦場で敵に勝利することに長けています。
最終盤にはカッコ良い専用機も出てきたりするのですが、これが何と二人乗りで、メインパイロットはヒロインである
ということで、主人公の能力がロボ要らないんですよ。暗示命令能力と戦略・戦術指揮力や組織運営力がメインなんです。これが、私が『コードギアス』は巨大ロボットアニメじゃないと判断した理由なんですね。
主人公の幼なじみで親友で、最終的にライバルになる枢木スザクの方は天才的パイロットであり、このため被占領民族「イレブン」として差別される日本人でありながらブリタニア軍で出世していくという。
また、劇中で日本がブリタニアに敗北した理由が、ブリタニアの新兵器だったナイトメアフレームに在来兵器では抵抗できなかったというのがあります。
だから、設定上は巨大ロボットがまったく要らない子ではないんですね。
ただ、最初からシーズン2の最後まで見通してみた結論としては、やっぱり本作では巨大ロボットって「無くてもいい」存在なんですよ。
主人公が活躍するのに、ロボが不要なんです。ロボの代わりにパワードスーツでもいいし、画期的な戦車や戦闘機でも代わりになるんです。
いや、確かに従来の巨大ロボットアニメでも、特にリアル系だったらそういう傾向はありますよ。でも、本作の場合はその度合いが強すぎるという。
そもそも、タイトルからして『コードギアス』です。主人公の武器がロボじゃなくて暗示能力の方だって明確に示してるんですよ。
親友と対立することになるストーリー展開や、魅力的な脇役たち、謎めいたヒロイン、主人公ルルーシュが戦う動機のひとつである実妹や、それが奪われて代わりに与えられた偽りの弟、強大な敵として立ちはだかる父皇帝や兄皇子など、キャラクターやストーリーは非常に面白く、見応えがあります。作品としては間違い無く名作です。見る価値はあるかと思います。個人的には偽の記憶を植え付けられていたことにルルーシュが気付いたときに、偽の弟に対して内心で言った「ボロ雑巾にして捨ててやる!」が非常にツボに入ったので自作でオマージュしました(笑)。
ただ、やっぱり私は本作は「巨大ロボットアニメじゃない」と思うんですよね。なので「番外編」と付けたのでした。
それから、第1シーズンの前期主題歌「COLORS」は名曲だと思います。第2シーズンの前期主題歌「O2」も名曲で、何とORANGE RANGEが歌っているという。シングルCDのCMでルルーシュがギアスを使ってORANGE RANGEに作曲を命令するってのをやってたのが面白かった記憶があります。個人的には「COLORS」の方が好きですね。
次回は『獣装機攻ダンクーガノヴァ』に行きたいと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます