第304話 機動戦士ガンダムSEED その4 良い子悪い子普通の子編

 『SEED』語りも4回目、母艦「アークエンジェル」について軽く語ったあとで、キャラ編に入りたいと思います。今回のサブタイトルについては、その際に説明しようと思います。


 さて、母艦アークエンジェルですが、全体的な形状とカラーリングは露骨にホワイトベースです(笑)。ただ、印象的にはホワイトベースなんですが、主翼が下になっていたり、垂直尾翼が別に付けられていたり、側面の円盤が後部エンジンの方に移動しているとか、後部エンジンユニットが小型化してるなど、各部の詳細はかなり違うんですよね。


 また、武装も「陽電子砲ローエングリン」とか、破壊力の高い必殺兵器を装備してたりするんですね。そのあたりはむしろネエル・アーガマ的というか。


 ホワイトベースと同じで、キラ側主要メンバーの生活の場となるので登場シーンが多く、母艦としてはかなり印象に残る方です。また、本家ホワイトベースと違って最終決戦を生き残って続編『DESTINY』にも登場している強運の艦だったりします。


 こいつには同型艦として二番艦「ドミニオン」がありまして、カラーリングが黒主体で一部のデザインが変わっているほかは、同じ形をしています。いかにも「ライバル」っていった感じなんですよね。しかも艦長は前半でアークエンジェル副長だったナタル・バジルールが勤めているという。


 ……と、ここでドミニオンもガンダムタイプを積んでたことを思い出したり。ここになるまで思い出せないんだから、ライバルとしての格が低いというか、印象に残ってないというか。


 ググってみたら、カラミティは要するにガンキャノン系、フォビドゥンはデスサイズで、レイダーはハンブラビを背負ってガンダムハンマー持ってるという感じのMSでした。おかしいな、こうしてみるとカラミティはともかく、フォビドゥンとレイダーは結構個性的なのに、なぜか印象に残ってないという。


 こいつらを積んで、ライバルとしてアークエンジェルの前に立ちはだかったのですが、MSの印象が薄いものの艦としてのライバル感は非常にあったんですよね。ネタ的には『ザブングル』のギアー・ギアーで既に同型艦対決&元の仲間が敵の指揮官ってのはやってますが、搭載機の印象が薄い割にドミニオンの方が強敵感があったのは、たぶん艦長のナタルが戦術指揮に長けていたからかなと思ったり。


 あと、後半になってキラとアスランが共闘するようになると「エターナル」って母艦も出てくるんですが、これが非常に印象が薄いという。続編『DESTINY』にも登場してるんですが、アークエンジェルほどの強い印象が全然無いんですよ。艦長は前述のラゴゥのバルトフェルドで、メインヒロインのラクス・クラインが司令官やってるのになあ。


 にしても、このネーミングは今となってはWeb小説系のネットスラングのせいで非常に印象が悪かったり(笑)。大丈夫、この『ロボ魂』はエタりませんから(笑)。


 まあ、メイン扱いのエターナルでこれだけ印象が薄いので、残りの艦艇については言及するほどの印象がないので、キャラ編に入りたいと思います。


 さて、主人公のキラ・ヤマトとライバル……というよりはダブル主人公の片割れと言うべきアスラン・ザラなのですが、特徴として非常に「良い子」であるということが言えます。


 アムロ(初代時)とかカミーユとかジュドーとかみたいな問題児じゃないんですよ。ただ、二人ともえらく朴念仁だったりはしますが(笑)。


 もっとも、そんな「良い子」であるが故に、ふたりとも状況に流されやすいという。


 もともと軍人に志願したアスランの方はともかく、民間人だったのに巻き込まれて戦争する羽目になったキラの方は、しかも戦う相手が幼少期の親友だったアスランだということに心をすり減らしていって、かなりおかしくなるという。このあたりアムロをトレースしてるものの、元が良い子だけに壊れるのも無理はないかなという感じはありました。


 そこで、誘惑されたとはいえ信頼していた先輩の彼女フレイ・アルスターをNTRしちゃうあたり、元々の良い子が崩れてかなり悪い子モードになってたりします。


 その一方で、元親友アスランの婚約者であるラクスの方とも仲良くなって、やっぱり最終的にはNTRしているという(笑)。まあ、こっちは元々アスランの方も結構義理でのお付き合いっぽかった上に、当のアスランがカガリ・ユラ・アスハの方に惹かれてるというエクスキューズはあるのですが。


 余裕がなくなってたところでアスランのイージスと相打ちになってストライクを失い、しばらく行方不明になってたものの、そこで再会したラクスの励ましを得て再起。それ以降は自分の信念で戦うようになっていくという。


 いろいろと毀誉褒貶のある主人公なのですが、私は嫌いではないです。何のかんのとクセの強い主人公が多いガンダムシリーズの中だと、やってることはともかくとして、性格的に見ると意外に普通っぽいと思えるのですよ。


 このあたりは、アスランも同じなんですね。良い子として状況に流されながら真面目に軍人やってたものの、そのことに疑問を抱いて反逆するという「悪い子」になったりもするんですが、実の所性格的には普通っぽいという。いや、朴念仁で融通が利かないんですけど、それはそれでアスラン程度に頭の固いのは普通に居そうな感じではあるので。


 ちなみにアスランの場合、カガリとは敵として戦ってるときに格闘になって、偶然胸をもんでしまって女と気付くという最悪の第一印象なセクハラ遭遇だった割には、のちに相思相愛になるという(笑)。


 こいつら、馬が合って親友になるのも当然だってくらい、ある意味「良い子」で、ある意味「悪い子」で、合わせて考えると「普通の子」なんですよ。ということで、サブタイトルはこうなりました。いやまあ、元ネタは萩本欽一のバラエティ番組の名前ですけど(笑)。


 いや、キラって能力的には最強コーディネーターなんですけどね。それと互角に戦えるアスランもパイロットとしては最強格ですし、本作でハロとかトリィ(キラのマスコットの鳥型ロボ)を作ったのもアスランだったりします。到底「普通」の範囲に収まるような連中じゃないことはわかってます。


 あ、この評価はあくまで『SEED』での範囲内になりますんで、『DESTINY』まで含めると少し変わってくるんですが、それは『DESTINY』のときに語りたいと思います。


 さて、次はヒロインズについて語りたいんですが、本作ではこっちが「ある意味」普通じゃないんだよなあ……。

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