第303話 機動戦士ガンダムSEED その3 これ何てゾイド?編

 『SEED』語りも三回目、残りのMSと機動兵器に行ってみましょう。サブタイトルは、私が今回紹介するを見たときの正直な気持ちです。ってか、みんなそう思ったはず(笑)。


 まず、連合量産機のストライクダガー。ストライクの量産機という設定で、由緒正しき味方雑魚です。その割にはガンダム目っぽい雰囲気だったりとジムよりはカッコ良い感じがしますが、所詮は雑魚。味方としても敵としても雑魚としてワラワラ出てきてはやられている印象しかありません。プラモのMSVとかだと本気でストライク量産しましたって感じの機体もあるみたいですが、そっちは知らないので何とも言えません。


 それに対するザフト量産機がジン。これが、全体のデザインは異なっているにも関わらず、モノアイが横スライドレールなところと口元のデザインから、非常にザクっぽい顔に見えるという機体なんですね。ターンAで判明したとおり、結局はザクということかとリアルタイム当時は思ったものです。本作の場合、敵は奪われたガンダム顔の四機の方が印象が強いので、本当に雑魚敵という印象しかありません。


 その発展系としてシグーというのも出てきて、シャアにあたるラウ・ル・クルーゼの専用機として使われていたんですが、正直言ってシャアほどの「強い」印象が無いという。ラウ・ル・クルーゼが「強い」印象を持つようになったのは前回語ったプロヴィデンスに乗ってからですね。


 あと、大気圏内飛行用として背中に六枚翼を付けたディンというのも出てきてます。これも大して印象は無いなあと。


 そして、後半のザフト量産機がゲイツ。これがゲルググにあたる機体なんでしょうが、口元がガンダムっぽいけど目はザクという感じのデザインだったり。高性能機という触れ込みですが、作中の印象が薄いあたりもゲルググかなと(笑)。


 とまあ、このあたりまでは「何か今までのガンダムシリーズに出てきたようなヤツらばっかりだよなあ」って感じなんですよね。いや、実際には結構デザインが違いますし、よく見てみるとカッコ良いんですよ。だからプラモが売れた理由はわかります。


 ただ、本作においては今まで類を見ない形態のMSが出てきてるんですね。それがバクゥと、その発展系のラゴゥです。


 これ、何と四つ足です。目こそ横スライドレールのモノアイなものの、獣っぽい顔をしてます。


 これが出た直後の某超大型掲示板のスレッドでは「ゾイドかと思った」という書き込みが山ほどされました。私もそう思ったので、今回のサブタイがこうなったという(笑)。


 砂漠地帯で初登場し、砂に足を取られてうまく動けないストライクを追い詰めます。砂漠戦用というところに四つ足の必然性が感じられて、実に上手い演出だと思いましたね。


 その大型発展機がラゴゥで、中盤ボスキャラ格です。乗っていたのがアンドリュー・バルトフェルドという凄腕のパイロット兼指揮官で、言うなればランバ・ラルのポジションの人。こっちの方が序~中盤ではラウ・ル・クルーゼよりも強敵という印象がありましたね。


 このラゴゥが二人乗りで、アンドリューの恋人のアイシャも同乗して戦うという。ハモンがグフに同乗して戦うようなモンなので、えらく印象に残っています。


 なお、この砂漠での初戦で、砂漠での移動がうまくできずに苦戦するストライクのOSを戦闘中に書き換えて対応するという離れ業をキラがやっています。そして、その直後に動けるようになったストライクが、それまで圧倒的だったバクゥに反撃して次々と撃破していくんですよ。このシーンで何が一番印象に残っているかって、シルエットになったストライクの目が不気味にギン! と光るシーンなんですね。主役ロボのはずなのに、非常に「悪魔」くさい演出の描かれ方をしているという。


 これ「ガンダム」を敵側から見たら、正に「白い悪魔」なんだろうなあというのを思い起こさせて、非常にナイスな演出だと思いました。こういうのを見せてくれるから、私は『SEED』ってガンダムシリーズの中でも比較的高く評価しているんですよ。


 確かにゾイドのパクりっぽくはあるのですが、MSとしては他に類例が無いデザインもあって、このバクゥとラゴゥは好きなメカですね。ただ、人型でないのでロボとしてはどうよ、という気もしますが(笑)。


 なお、続編『DESTINY』ではそこを考えたのか、獣型に変形するガンダムが登場します。


 MSはこのあたりですね。なお、普通ならバクゥとかはMA扱いになるんじゃないかと思うのですが、『SEED』ではMAってちゃんと別に存在するんですよ。


 地球連合側の機動兵器としてメビウスという宇宙戦闘機っぽいMAが存在してまして。序盤で頼りになる味方の兄貴分キャラであるムウ・ラ・フラガがこれに乗ってます。もっとも設定を見ると乗っていたのはメビウス・ゼロという少数生産の特殊機のようですが。


 このメビウス・ゼロが、何と有線式ガンポッドでオールレンジ攻撃ができるんですね。ムウ・ラ・フラガは特殊な空間認識能力があるので、ナチュラルでもオールレンジ攻撃ができるため、性能的にはジンに劣るメビウス・ゼロでも戦うことができたという。


 あ、MA以外でスカイグラスパーって大気圏内容の戦闘機も存在してますが、こいつがGファイターとガンペリーの中間みたいなヤツで、ストライカーパックを装備できるんですよ。それで、前線で戦っているストライクに交換用のストライカーパックを輸送するという。


 これ、確かに合理的なんですが、何というか「アンパンマン、新しい顔よ」を思い出してしまったり(笑)。


 ムウ・ラ・フラガとかが乗ったらストライカーパックを使って戦闘もできたりするんですけどね。てか、結構強いという(笑)。


 機動兵器については、こんなものでしょうか。次回は母艦アークエンジェルについて軽く語ってから、キャラ編に入りたいと思います。

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