第266話 勇者王ガオガイガー その17 いつか星の海で編
「君たちに最後の最新情報を公開しよう!」
ということで、今回がガガガ語りの最終回になるかと思います。なので、予告編フレーズもそれに合わせてみました(笑)。サブタイトルは最終回のサブタイトルをいただいております。
まずは、残りの一般人から。前回も少し書きましたが、ガガガで面白いのは前半部でゾンダー化した研究者が、後半ではGGG所属の研究者になってることなんですね。前回話題に出した犬吠崎実のほかに、重力制御の研究者である
レギュラーだと、護の友達が印象に残っていたり。華ちゃんと牛山末男については先に書いていますが、あと二人います。そのうち
護や華ちゃんの友達なので、巻き添えでゾンダーに遭遇することが多かったのですが、恐くて泣いたりしながらも最後まで元気に乗り切っていました。また、最終回で護が宇宙人だとわかったあとも友達としての態度を変えず、最後の旅立ちのときには華ちゃんとの結婚式を演出したりしていました。良い子たちなんだよなあ。
あと、最後にキャラではないものの、忘れちゃいけないのがナレーター! 小林清志といえば『ルパン三世』の次元大介で有名ですが、ロボ的には『0083』のデラーズ閣下を好演したことを忘れてはいかんでしょう……って、今調べてみたら『0083』でもナレーションやってたのね。本作では、常に冷静な調子でありながら熱いという奇跡のようなナレーションで作品を盛り上げてくれました。次回予告のナレーションも、この人だからこそビシっと決まったというのはあるんじゃないかと思います。さすがにベテラン声優と言えるでしょう。
残念ながら、さすがに玩具を買う歳ではなくなっていました。前にも書いたように、ガイの変身サイボーグが発売されたりもしていたんですよね。調べてみたらリカちゃん人形風の命も出ていたようです。
あと、こいつは人気ゆえか、タカラがスポンサードしていた作品だったのに、後年になってバンダイから「超合金魂」が発売されているんですよ。これはもうスパロボに登場する以上に意外でしたね。もっとも、今じゃあバンダイのスーパーミニプラシリーズで元タカラ系のガリアンだのゴーグだのが販売されているんですが。時代は変わったなあ。まあ、制作会社のサンライズがバンダイの子会社だから版権取れるというのはあるんでしょうけど。
そして、ガガガを語るときに忘れちゃ行けないのが主題歌! 「勇者王誕生!」は超名曲です!! 嬉しくなるくらいにスーパーロボット主題歌してるんですよ。ロボ名は連呼するし、攻撃技じゃないとはいえ「ディバイディングドライバー」を絶叫するし。
これはもう、カラオケに行っては仲間全員で大合唱大熱唱したなあ。「ディバイディングドライバー!」なんか喉が裂けそうなくらいに絶叫したおぼえがあります(笑)。
これ、非常に画期的なことがあるんですよ。前半部は一番が使われてたのですが、後半の原種編になるときに、二番に変わっているんです。前半と後半でオープニング曲を変えるのは、この頃は普通になっていたんですが、ガガガでは曲を変えるんじゃなくて一番と二番を変えるというのをやっているんですよ。当然、オープニング映像も変わっています。
これは、なじみのある主題歌を使い続けながらも、新鮮な感じになるということで、非常に良い手法だと思えるんですよね。マーチャンダイズの観点からすると売れるCDを増やすという点では曲自体を変える方が良いのでしょうけど、視聴者からすると、愛着のある曲が新鮮な感じで聴けるので、こちらの方がいいかなと思ったりしました。
なお、この手法は続編『FINAL』でも継承されていて、何と主題歌のメロディーは同じで歌詞が更新された「勇者王誕生! ~
それから、エンディングテーマもよい曲でした。曲名「いつか星の海で」がそのまま最終回タイトルにもなっていますが、本当に最終回のラストシーンで流れるのにふさわしい曲なんですよ。大元テーマが「竹取物語」だそうなので、それに合わせた曲だったのでしょうけれども、最後のシーンのために、この曲を最初から仕込んでおいたということには、つくづく感服します。
それでは、最後に総評に移ろうかと思います。本作ガガガは、紛れもない名作です。究極のスーパーロボットアニメと言ってもいいかと思います。熱い演出、毎回が最終回じゃないかというくらいのピンチの連続と、そこから挽回する盛り上がり方。
そして、リアルロボの技法を取り入れた「リアリティ」=「納得力」。これは、現実にありそうかという意味での「リアル」じゃないんですよ。本来は荒唐無稽な話を「そういう設定だったら納得できる」と視聴者に思わせ、納得させるという意味で「リアリティがある」。
こうした、ヲタク向けな部分がありながらも、同時に子供向けとしての子供目線を失っていないという絶妙なバランス感覚。
使い回しのバンクシーンさえカッコ良いという演出を行うことで、新規作画部分を減らして、そこに集中することが可能になった故の作画クオリティの安定性。
田中公平によるカッコ良く燃える主題歌とBGM。
熟練した声優たちによる熱演。
これらすべての要素が組み合って、正に名作と呼ぶにふさわしい作品になっていると思います。
だから、私は最初に書きました。「日本巨大ロボットアニメの『金字塔』である」と。そして、ここで「金字塔」を選んだのは意図的であると。
金字塔とは何か。これ、私は「なろう」で初めて知ったんですよ。私がWeb小説を読み出すきっかけとなった書籍化作家様(故人)が、別の方の作品を褒めるのにうっかり「金字塔」を使ったところ、縁起でもないと批判され、落ち込んで断筆するかもしれないというようなことを書かれていたことがありまして。
まあ、その方は結局は断筆されずに復活されたものの、その後に交通事故でお亡くなりになってしまい、非常にショックを受けたのですが。閑話休題。
そう「金字塔」とは、実は「縁起でもない」物なのです。それは何か?
「ピラミッド」の日本語名なのですよ。
ピラミッドとは何か? 今では違う目的で建てられたという説もあるようですが、通説では「
そう、私は、この名作『勇者王ガオガイガー』は「日本巨大ロボットアニメの偉大なる墓標」なのではないかと思っているわけです。
本作をもってTVアニメの「勇者シリーズ」は終わります。ゲームで続編が出たようですが、それは別物と考えた方がよいでしょう。
また、本作は同時にサンライズと名古屋テレビが長らく共同制作してきたロボットアニメの最後の作品でもあります。
色々な意味で、これが「終わり」の作品だったのですよ。
もちろん、これ以降も「巨大ロボットアニメ」は何作も作られてきています。しかし、『マジンガーZ』から続いてきた、子供向けに玩具を売る「巨大ロボットアニメ」のマーチャンダイズのひとつの形が、ひいては「巨大ロボットアニメ」そのものが、ここで一度終わったのではないかと思えるのです。
今でも子供向けの巨大ロボットアニメとして『シンカリオン』とかがあることは事実です。ただ、やはり、この『ガオガイガー』こそが、ひとつの区切りだったと、私にはそう思えてならないのです。
だから、私は「金字塔」と書きました。痛切なる哀悼の思いを込めて。
最後は、本作ナレーション最後のこの言葉をもってガガガ語りを締めたいと思います。
「我々は、この熱き勇者たちの伝説を、忘れてはならない」
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