第265話 勇者王ガオガイガー その16 心弱き者たちよ……編

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 ガガガ語りもそろそろ終わりに近づいて参りました。今回は敵側キャラについて語りたいと思います。サブタイトルは前半ボスである「パスダー」の決めゼリフをいただきました。元が知的生命体のストレス解消目的で作られたゾンダーにとって、ストレスを発生させる人間の心は「弱い」ものなんですね。


 さて、そのパスダーを語る前に、その部下の機界四天王のうちの残り二人について語ってしまいましょう。


 四天王は同格なのですが、長老格にあたるのが「ポロネズ」です。駅員のような服装をした初老の人間に化けていますが、顔が変な風に変化することもあります。鉄道に関係したゾンダーロボを作ることが多く、本人がゾンダーロボ化したときも山手線を線路ごと取り込んでロボになっていました。


 そのポロネズの「妻」が「プリマーダ」です。バレリーナ衣装のような派手な服装の若くて色っぽい女性に化けています。車に関係したゾンダーロボを作ることが多く、本人がゾンダーロボ化したときには走っている車ごと首都高速を取り込んでロボになっていました。


 そうそう、前に書き忘れたのですが、ペンチノンは船に関係したゾンダーロボを作ることが多く、本人も護衛艦を取り込んだゾンダーロボになっていました。


 こいつら、機械生命体なのにペンチノン以外は妙に感情的な部分があるんですよね。ポロネズとプリマーダも、元は紫の星の人間だったようで、その頃は夫婦だったようです。ただ、護が浄解しようとしたときには、護に感謝しながらも「もう元には戻れない」と言って、そのまま光になって消えてしまいました。完全に機械生命体化していて、人間だったときの部分が残っていなかったのでしょう。その点、元から機械のペンチノンやサイボーグだったソルダートJの方は元に戻れたという。


 そいつらを率いている前半ボスがパスダーです。グニョグニョ動く気味の悪い機械の顔という姿をしており、機界四天王に命令を下していました。地球飛来時にガイのスペースシャトルと衝突事故を起こして瀕死の重傷に追い込んだほか、命の両親の命を奪い、彼女にゾンダーの種を植え付けていたことは先に書いたとおりです。


 こいつらは、地球人をゾンダー化しようとしていました。ただ、コツコツとゾンダー化を狙ったわけではないんです。ゾンダーが作り出すゾンダー胞子というものが一定量以上溜まると、それが爆散して世界中に散らばり、爆発的に人類のゾンダー化を進めることができる「機界昇華」を起こすことができるんですね。その「機界昇華」を起こそうと暗躍していたわけです。


 ただ、人間をゾンダー化するゾンダーメタルは、地球では簡単に作ることができないので、少ないゾンダーメタルをやりくりして作戦を行っていました。毎回一体か二体ずつしかゾンダーロボが出てこないのは、ゾンダーメタルが少なかったからなんですね。これも機界昇華が起きれば爆発的に増やすことができます。また、ゾンダーメタルを作り出すゾンダーメタルプラントというのを作ってゾンダーメタルを増やそうとしていたこともありました。


 こいつら、結構作戦を考えてきていて、毎回ガオガイガーやGGGをピンチに追い込んでいるんですよ。バカのひとつおぼえを繰り返す悪の軍団とは、ひと味違っていました。ただ、同じ作戦を繰り返すことはしないようです(笑)。


 前半部最後の作戦では、機界四天王が全員自らゾンダーロボ化して最強勇者ロボ軍団に決戦を挑んできました。このときの作戦は、パスダーが関東平野と一体化して、関東平野を丸ごとゾンダーメタルプラント化しつつ宇宙に飛びだそうという壮大なものでした。


 これは、最後の切り札である「弾丸X」――勇者のパワーを底上げする代わりに命の危険がある諸刃の剣と言うべき装備――を用いた最強勇者ロボ軍団によって阻止され、パスダーも敗れて爆散します。


 しかし、パスダーの中核パーツは宇宙に飛散したところで、パリアッチョという球体からピエロ姿の少女に変形する謎の機械生命体に吸収されます。


 このパリアッチョが後半の敵側司令塔のような感じの存在になります。片言で勇者たちの「絶対危険度」などを測定していました。


 後半の敵が「機界三十一原種」であることは既に書いています。こいつらは、「腕」や「足」などのほか、「目」「鼻」「口」「骨」などの体の器官や、「腸」「肺」「心臓」などの臓器の名前が付いており、それぞれ特殊能力を持っています。


 こいつら、やたらと強敵でして、初登場時には、前半部のGGG基地を壊滅させ、ガオガイガーをボロボロに破壊して敗北寸前まで追い込みます。このあたり、実は『マジンガーZ』の最終回へのオマージュじゃないかとか思ったり(笑)。


 ただ、そこでキングジェイダーが登場して無双するんですね。また、壊滅したと思われていたGGG司令部は脱出していて、後半部基地であるオービットベースに避難していたという。そこでガオガイガーもスターガオガイガーにパワーアップされたほか、勇者ロボたちも「ウルテクエンジン」を搭載することで強化され、原種にも対抗できるようになったという。


 この原種たちは、やはり原種核という中心器官を持っています。その原種核が浄解されると「ゾンダークリスタル」というパズルのパーツ状になり、組み合わせると球体になります。


 実は、この原種たちは「Zマスター」という全宇宙のゾンダーをコントロールする存在のパーツだったという。最終的には、全ゾンダークリスタルを組み合わせた球体「マスタープログラム」を浄解することでしか、Zマスターを止めることはできないんですね。


 戒道少年たちは、このゾンダークリスタルを集めて浄解することを目的としていたので、最初はGGGと対立しても自分たちでゾンダークリスタルを集めようとしていましたが、最終的には協力して集めることになります。


 原種たちそのものには人格は無いのですが、原種たちの中でも特に戦闘力が優れている「機界最強七原種」が地球人を取り込んで人間体になったときには、元の人間の個性が影響しているのか、妙に感情的になっていたことがあります。


 このとき、戒道少年の育ての親である戒道夫人が腸原種に取り込まれて敵に回っていたことがありましたが、最終的には他に取り込まれた人たちも含めて全員浄解されて救出されています。


 木星における最終決戦で、実はパスダーこそが三十一原種のリーダー格である心臓原種で、パリアッチョはその端末だったことが判明します。そして、GGGや戒道少年たちにゾンダークリスタル化されていた原種を取り戻して、Zマスターとしての正体を現し、木星と一体化して最終決戦を挑んできました。


 パスダーのときも迫力満点のボスだったのですが、このZマスターに至っては正に最大最強の敵という感じでした。どうやって倒すんだと見ていてワクワクしたものです。


 最終的には、キングジェイダーの捨て身の攻撃による助力と、ザ・パワーと一体化した麗雄博士夫妻の協力によって、ガオガイガーがZマスターを倒し、マスターピースは護によって浄解され、全宇宙のゾンダーは活動を停止します。


 これで終わったと思っていたら、ゾヌーダが出てきたんですよね。パスダー戦とZマスター戦という二度のボス戦のあとでラスボスが登場するという(笑)。前にも書いたんですが、この構造は『Gガン』に酷似していると思いました。


 さて、このあたりで敵キャラについては語りましたので、次回は残りの一般人について軽く語ってから作品の総評をして締めたいと思います。ということで……。


「次回も、このサイトでファイナルフュージョン承認!」

「これが勝利の鍵だ!」 → 『勇者王ガオガイガー』

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