第200話 機動武闘伝Gガンダム その13 さらば師匠!マスター・アジア、暁に死す編
「
Gガン語りとしては不吉な13回目ながら、『ロボ魂』全体で見ると記念すべき二百話到達の回です。ということで、満を持しての東方先生語り回にしたいと思いまして、最初は前回書こうと思ってたのを今回に延ばしました(笑)。サブタイトルは東方先生との最後の決着が描かれる第45話のサブタイをそのままいただきました。
ドモンの師匠にして、最強のライバルが東方不敗マスターアジアです。マスターガンダムの回でも触れていますので、そこを補強しつつ、触れていない部分について語りたいと思います。
初見で一番インパクトがあったのは、何と言っても生身で巨大ロボを撃破してしまうという強さでしょう。まあ、敵はデスアーミーでザコではあったのですが、それでも巨大ロボです。
のちに東方先生はデビルガンダム側であることが判明するので、デスアーミーがわざとやられたという可能性も無くはないのですが、そんな小細工要らんだろうという強さの持ち主であることは確かです。
同じ今川監督の先行作品であるOVA版『ジャイアントロボ』にも生身で巨大ロボと対決できる超人が山ほど出てきましたが、東方先生もそれと同等の実力者だと言えるでしょう。
このシーンは『新スパロボ』とかでも再現されていました。
あと、一番印象に残っている技は何と言っても「超級覇王電影弾」ですね。体を軸にコマ回転するのはシュバルツのシュトルム・ウント・ドランクと同じなんですが、垂直回転のままで突撃するシュトルム・ウント・ドランクに対して、超級覇王電影弾は横倒しになって頭から敵に突撃するという。多数相手の中に突撃して周囲の敵を全部破壊する技なので、スパロボでも『F』以降はマップ兵器になっていたような。
これ、なぜかロボに乗っているのに突撃時に顔が搭乗者の顔に変わるという(笑)。また、初出時にはドモンが東方先生を押し出す形で使っていました。
最強奥義の「石破天驚拳」は、要するに波動拳系の気を飛ばす技なのですが、最初はドモンには伝授していませんでした。敵となったあとに、なぜか一緒にガンダムヘッドに襲われたときに一時休戦してこれをドモンの前で放ってみせ、その後ドモン自身に使わせて会得させたという。
東方先生というと、作中では
「こぉのバカ弟子がァ!」
「だからお前はアホなのだァ!」
といった感じでドモンを罵倒している印象が強いのですが、実は結構気にかけているんですよ。
敵になったあともドモンを育てていたのは、デビルガンダムの生体コアにするつもりだったから……ということなのですが、それ建前だろうと(笑)。
この「一見厳しいが本当は優しい師匠」のモデルについて、まったく根拠は無いのですが、雑誌かネット上かどこかで見かけた噂がありまして。
この東方先生の性格や人格のモデルは、今川監督から見た「師匠」に当たる人、つまり富野監督だっていうんですよ。信憑性の無い噂話ではありますが、さもありなんと思いました。閑話休題。
作中では最強の敵であったのですが、マスターガンダムのときにも書いたように、実は一度ギアナ高地でドモンに敗れているのですよ。
ところが、ホンコンで再登場したときには、そんな敗北などみじんも感じさせない強キャラぶりで平然と再登場するという(笑)。そこでガンダムファイト連覇を果たした暁には「東西南北中央不敗スーパーアジア」(爆)に改名すると宣言したりするんですねえ。
この強キャラでありながらネタキャラっぷりも凄いところが東方先生の魅力だったりします。
さて、この東方先生は旧シャッフル同盟のリーダーとして、本来は紛争や悪事を抑止する立場でした。
それが、どうしてデビルガンダムに荷担することにしたのか。それは東方先生が優勝した前回ガンダムファイト、第十二回大会での経験によるものでした。
ガンダムファイトは「人が死なない理想的な戦争」と喧伝されていたのですが、実際に戦ってみた東方先生は、そのガンダムファイトによって地球環境が破壊されていることに気付いてしまったのです。
その欺瞞性に気付いた東方先生は、暴走したデビルガンダムと同じく「地球浄化のためには人類抹殺が必要」という結論に達してしまったんですね。それでデビルガンダムに協力することにしたという。
自身が所属するネオホンコンの首相ウォン・ユンファには一応従っているように見えますが、デビルガンダムで世界の覇権を握ろうとしているウォンとは根本的な部分で思想が異なっているので、実際は互いに利用し合っている関係でしょう。
また、本人は実は重い病のため余命いくばくもない身でした。このため、自分自身がデビルガンダムの生体コアにはなれなかったのです。ドモンを己の後継者として育てようとしたのも、またデビルガンダムでの人類抹殺と地球浄化を急ごうとしたのも、それが原因だったという。
最後はドモンとの一騎打ちで、ドモンが石破天驚拳に爆熱ゴッドフィンガーを上乗せした新必殺技「爆熱ゴッドフィンガー石破天驚拳」に敗れます。
その戦いの中で「人類も地球の一部だ」というドモンの主張によって、己の過ちに気付かされ、弟子であるドモンが自分を超えたことを認め、最後は安らかに眠るように息を引き取りました。
……その前に、流派東方不敗の熱い誓いをドモンと一緒に叫ぶんですけどね。
「流派、東方不敗は」
「王者の風よ!」
「全新」
「系列」
「天破」
「侠乱」
「「見よ、東方は赤く燃えている!!」」
これは再会のときも拳を交えながらやってましたね。
この東方先生の最期のシーンの絵コンテを切ったあとで、まだ話が残っているのに今川監督は思わず「完」と書き込んでしまったとWikiに書いてありました(笑)。
実際問題、ラスボスであるデビルガンダムに人格が無く、黒幕キャラだったウォンやウルベ少佐は小者感が強いために、実質的にラスボス格になってしまってるんですね。
とにかく、これほど「濃い」師匠にしてライバルなキャラは空前絶後でしょう。色々と印象に残るお方でした。
……なもんで、つい自作でもパロネタに使っちゃうんだよなあ(爆)。
声優は、OVA版『ジャイアントロボ』では衝撃のアルベルトを演じた秋元洋介です。ガンダムシリーズでは『0080』のシュタイナー隊長や『0083』のアレンも演じています。後年になって『Seed』でヒロインであるラクスの父親であるシーゲル・クライン議長もやってました。渋いオッサンキャラを演じさせたら右に出る者がいないという名声優ですね。本作では、ほかに
この
ということで、東方先生はここまで。次回はシュバルツやアレンビーに行ってみましょう。それでは……
「ガンダムファイトぉー、レディーっ、ゴォォォォォッ!」(爆)
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