第183話 機動戦士Vガンダム その4 天使たちの昇天編

 Vガン語りも4回目になります。今回は戦略級兵器について語ってからキャラ編に入りたいと思います。ですのでサブタイトルは歴代ガンダムの戦略級兵器の中でも一番の怪兵器「エンジェル・ハイロゥ」が活躍(?)する最終回のサブタイをいただきました。


 何しろ、このエンジェル・ハイロゥは直径二十キロメートルという史上最大のです。このサイコミュによってサイコウェーブを放射し、人類から闘争心を無くすことで戦争を無くそうというのもとに建造されたものです。


 とまあだけは美しく聞こえるのですが、実態は闘争心を失った人類はそのまま幼児化して眠りこけて衰弱死に至るという、恐ろしい殲滅兵器だったりします。


 騙されてたとはいえ、ホイホイとこんなのを発動する中心人物になってしまうからシャクティは死神とか言われるんですよ(笑)。もっとも、最後はそのシャクティの祈りで自壊しながら宇宙へ昇天していきましたけど。


 私が見た宇宙世紀サーガの年代では、Vガンが一番最後なんですよ。漫画やゲームでは、このあとの年代もあるみたいなんですが、私はそれを知りません。なので、私の中では宇宙世紀はエンジェル・ハイロゥの昇天で終わっているという(爆)。まあ、ある意味非常に「終わってる」感はありますけど(←意味が違う)。


 もうひとつ出てくる戦略級兵器に「カイラスギリー」というのがあります。こちらは超大型ビーム兵器「ビッグキャノン」を装備した宇宙要塞です。これはコロニーレーザーと同系統の超大型ビーム砲なんですが、コロニーレーザーみたいに太いレーザーを単純にぶちかますのではなく、収束された粒子ビームをぶっ放す兵器です。そのためか、威力はコロニーレーザーより強力とされています。


 まあ、こいつは普通に強力な兵器なんで、攻略対象にされるという。Zガンダムのグリプス攻防の焼き直しですな(笑)。


 なお、こいつについては、名前だけはのちの『ターンAガンダム』でも出てきます。


 さて、続けてキャラ編に突入したいのですが、主人公ウッソ・エヴィンの個性については、実はそんなに語ることが無いという。


 こいつ、十三歳なんですよ。それまでの歴代ガンダム主人公の中では、ガンダムに乗らないアルを除くと最年少になります。なので作中でも結構子供扱いされてるのですが、よく考えると中一ですよ。そろそろ第二次性徴期に突入する頃です。


 子供扱いされる割に結構モテモテで、いろいろエロいを敵味方双方から受けてたりします(爆)。敵のエースパイロットのひとりであるルペ・シノって年増姐さんと一緒に風呂に入れられるなんて受けたりしてたな(笑)。


 あと、美女軍団が水着で襲ってくる(物理)とか。話だけ聞くと非常にネタっぽい作戦なのですが、実際に作中でV2ガンダムにしかけられたんで、反撃すると生身の水着美女を主役ロボが叩きつぶすという恐ろしいビジュアルになってしまうという(爆)。ただ、これはどう考えても作戦立てた方(後述するガンダムシリーズ三大悪女最凶のお方)がおかしいんで、反撃したウッソの方を責めるのはお門違いでしょう。


 とにかく、作中でも色々と酷い目にあっています。最悪なのは実母ミューラ・ミゲルが目の前で戦死したことでしょう。それも、首がもげます。そのもげた首のヘルメットをウッソが抱えているという凄まじいシーンが作中にあるんですよ。実のところ、あの伝説の劇場版『イデオン 発動編』のキッチンのロングショットでの生首チョンパ以上の衝撃シーンですよ、これ。


 また、前に少し書いた「シュラク隊」という味方美女パイロット軍団とは、少し仲良くなると、すぐに仲良くなった相手が戦死してしまうという。一級死亡フラグ建築士なんですよ。シャクティが死神呼ばわりされてますけど、実はウッソも負けてないという。ただ、こっちは完全にウッソの責任じゃないのと「美人な方から死んでく」法則(一部例外あり)もありますので。これについては詳しくはシュラク隊の所で語ります。


 こんだけの目にあってたら、それこそTV版Zガンダムのカミーユみたいに発狂してもおかしくないのに、この戦争を最後まで正気で生き抜いて、最後はシャクティと一緒に故郷に帰っていきます。ある意味、ガンダム世界でメンタル最強なのはこいつなんじゃないかと思ったり。


 母親ミューラ・ミゲルは、実はVガンやV2の設計者です。母が作ったMSなんですね。中盤に登場するも、前述のように戦死してしまいます。夫婦別姓なのですが、理由は語られていません。特に離婚したという話もないので、単純に仕事上の都合か何かで夫婦別姓のままだったのでしょう。なお、ミゲルという姓は『逆シャア』のときのシャアの愛人ナナイ・ミゲルと同音なので、ウッソはシャアの子孫説がささやかれたことがあったのですが、これは公式に「スペルが違う」と否定されています。


 父親ハンゲルグ・エヴィンの方は、実はリガ・ミリティアのリーダー「ジン・ジャハナム」の正体だったりします。当初は影武者を立てて隠れていたのですが、終盤に登場します。そのまま味方の総司令官として行動していたのですが、最後にリーンホースJrがアドラステアに特攻をかけようという流れになったときに「ちょっと待て」みたいな表情をして、実際に特攻する前にコソコソと逃げ出しています。


 それを味方の爺さんたちに「目端の利く男だ」みたいに揶揄されてましたが、これはむしろ組織のリーダーとしては当然の行動かなと思います。責任者ってのは勝ったあとの戦後処理にも責任を持たないといけないんですから。確かに作戦上特攻しないとアドラステアは倒せなかったでしょうが、そこに総責任者が付きあう必要なんて無いんです。そこだけ取って卑怯者みたいな描写をするのは、正直「潔さ」を美徳にしてしまう日本人の悪い所かなと思ったりもしました。


 このリーンホースJrの特攻シーンについては、作中屈指の名シーンとされていますが、以上のことがあるので私は素直にうなずけないんですよね。富野監督も「特攻賛美になった」「安易だった」と反省していたそうですけど。もっとも、富野監督は『ザンボット』の頃から「大人が母艦特攻」やってるんですが(笑)。


 さて、次はいよいよ大問題のヒロインについて語りたいと思います。締めは今回もそのヒロインのセリフ。


「見てください!」(爆)

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