第182話 機動戦士Vガンダム その3 モトラッド発進編

 Vガン語りも3回目です。今回はMSではなく敵軍ベスパの通常兵器について語りたいと思います。そこで、サブタイトルは怪しい通常兵器の代表ともいえる「モトラッド艦隊」が出撃する第31話のサブタイからいただきました。


 そのモトラッド艦隊ですが、アドラステア級戦艦とリシテア級揚陸巡洋艦からなる艦隊です。こいつらは宇宙艦艇ですが、大気圏内およびでの運用も可能です。ええ、「地上での運用」が可能なんです。(爆)。


 その外見ですが、デカい車輪を付けた超巨大なバイクに砲塔や艦橋がくっついているという代物です。宇宙航行時や飛行時には車輪部分は左右に分かれて横に展開されます。


 後にも先にも、こんなアホな(←褒め言葉)コンセプトの宇宙艦艇はほかに存在しません。唯一無二、空前絶後のスーパー宇宙艦隊です。そらそうだ(笑)。


 そして、こんな色物チックな外見してるくせに、こいつメチャクチャ強いんですよ。特にタイヤ部分は恐ろしい強度があります。そらそうだ、このタイヤで地球全部を走り回って、地上の建造物をことごとく踏みつぶそうってんだから。名付けて「地球ローラー作戦」(爆)。


 コンセプトとしては「大量破壊兵器によらない地球浄化」を行うためなんだそうです。「なろう」の感想欄で一一様も書いていらっしゃいましたが、戦略や戦術の基本原則ドクトリンからすると、非常に合理的な設計です……合理的すぎてベスパの構成員以外誰もついてきてないけどな!(笑)


 さらに、設計的にも一番負担がかかるタイヤ部分は簡単に交換できる仕組みになっています。前述したようにリガ・ミリティアMS隊の隊長であるオリファーさんは敵艦に特攻するのですが、それはこのモトラッド艦隊の旗艦アドラステアの発進を阻止するためでした。


 しかし、オリファーさんの命がけの特攻によって損傷したタイヤ部分は、その場で切り捨てられ、すぐに別のタイヤが装備されます。哀れなことにオリファーさんは完全に無駄死にだったという。


 そして、モトラッド艦隊は地球に向けて出撃し、作戦どおりに地上を走り回って地球浄化を行います。


 最終決戦では最終兵器「エンジェル・ハイロゥ」の防衛に回っていましたが、アドラステアは味方の戦艦リーンホースJrの特攻でようやく相打ちに持ち込んで撃沈できたという。


 どう考えても色物なんですが、歴代ガンダムに出てくる宇宙戦艦としては最強にして最凶の存在なんですよ、コイツ。


 こいつらが出てきたということについて、Vガンは評価に値すると考えています。それぐらいインパクトがある存在でした。


 さて、こいつらバイク戦艦や、前回出てきたアインラッド、ツインラッドといった車輪兵器を製造する前に、その元になった存在があります。地上戦用MA「ガリクソン」と、それを小型化した戦闘バイクです。いや、戦闘バイクを大型化したのがガリクソンなのかもしれませんが。


 にしても、ガリクソンという名前だと、巨人軍ジャイアンツにいた助っ人外人ピッチャーを思い出すんですが(笑)。閑話休題。


 このガリクソン、分類上はMAということになっていますが、外見はただのデカいバイクです。そのためMA感は全然無いという。ビーム砲やガトリング砲で武装しており、高速で地上を走行しながら敵MSを攻撃します。その機動性で「当たらなければどうということはない」を地でいく戦闘を行いますが、しょぼいビームなら当たってもはねかえす程度の装甲もあります。


 こいつについては、パイロットのドゥカー・イク大尉を抜きにしては語れないでしょう。何しろ夢が「地上をバイク乗りの楽園にすること」ですから(爆)。副官のレンダ・デ・パロマもそれに共鳴しているという。もっとも、こいつらプライベートでも付きあってる感じの描写がされていましたが。


 ガリクソンを使ってVガン相手に健闘したことで、バイク兵器がベスパの主力兵器として採用され、モトラッド艦隊やアインラッド系サブフライトシステムが採用されたという。また、その功績によって少佐に昇格してバイク巡洋艦の艦長に任命されます。


 最後はバイク巡洋艦の艦橋をビームライフルで貫かれて戦死するんですが、その直後に共に戦死したレンダを後席に乗せてバイクにまたがったドゥカーの幻が空に向かって飛んでいくというシーンが描かれています。敵役なのに、どえらく贔屓ひいきされたモンだと驚いたものです。


 正直、ライバル役としては後述するクロノクル・アシャーなんかより、ドゥカーの方がよっぽど強敵でしかも印象に残るキャラでした。


 とまあ、Vガンの敵兵器については、先にあげたドッゴーラ以外はMSなんかよりも、こいつらバイク兵器の方がよっぽど印象に残っているという(笑)。そういう意味では正解なのかなと思いますが……プラモ売れたのかな、これ?(爆)


 そういえば、昨日ドッゴーラのところで『まんが日本昔ばなし』について触れたのですが、まさにその日に『まんが日本昔ばなし』の男性側語り手だった常田富士男氏がお亡くなりになったということがニュースで伝えられました。謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。閑話休題。


 いやまあ、昨日ネタにしたMSのほかにも、バカでかいビーム砲持ってて、何かしらんけど円盤に乗って宇宙を飛んでるザンネックとか、何か雷様っぽいデザインのゲンガオゾとか、怪しいMSは結構いるんですけど、バイクの破壊力の前には、おとなしく見えてしまうという(笑)。


 ということで、Vガンの敵兵器については、とにかく色物という印象だけが強く残っていたのでした。


 さて、これで機動兵器については、あらかた語ってしまったので、次回は戦略級兵器について語ってからキャラ編に入りたいと思います。


 さあ、最後の締めはコレですよ。


「見てください!」(爆)

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