第164話 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(1991-92年)
ガンダム連続になってしまいましたが『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(以下0083と略記)です。タイトルが長い、長いよスレッガーさん!(←このネタ二回目)
しかし、この1991年に見てた巨大ロボットアニメはほかに無いんです。前記のように『ファイバード』は未見であり、本年もうひとつ始まった名作『絶対無敵ライジンオー』をスルーするという大不覚をやらかしていまして。あれ、アニメ誌で見たキャラデザが合わなくてスルーしてしまったんですよ。それで、エルドランシリーズは完全に未見という。
……ワタルとか、のちのヤマトタケルとかも含めて、よくよく考えてみると、私が80年代末から90年代にかけて、一話切りではなくて最初からスルーした巨大ロボットアニメって、だいたいキャラの頭身が低い場合が多いですね。『ドラゴンボール』とかは普通に見てたんで、巨大ロボットアニメの場合限定なんですが、頭身の低いキャラはロボットアニメとは合わないと思っていたのでしょうか。閑話休題。
本作については、大学のサークルの冬合宿で、出たばかりの第1~3話のビデオを持ってきた先輩がいたので見せてもらってドはまりしました。そのため、新作リリースのたびにレンタルビデオで借りて、ほぼリアルタイムに近い形で見ています。また、後年DVDが発売されたときに購入して見直しています。スパロボにも比較的初期から登場しており、そちらの印象も残っています。
ガンダムのOVA第二作で、前作0080がテーマ性が強かったのに対して、本作はかなり明確に「ガンダムファン向け」を意識した作りになっています。初代ガンダムを見ていた世代が作った「自分たちが見たいガンダム」なんじゃないかという印象が、特に前半は強くあります。
たとえば、主役機であるガンダム一号機GP-01をはじめとする連邦軍MSのコクピット。アームで目の前に伸びる照準器が付いているんですよ。これ、初代ガンダムの連邦軍MSだけの装備なんですが、それが再現されているという。アレックスでテストされていた全周囲モニターとか、まだ装備されてないんですね。
そして、GP-01がビームライフルを撃つときの撃ち方が、初代ガンダムの撃ち方を非常に意識しているという。構図とか構え方とか、撃ったあとの腕の動きとか、そっくりなんですよ。
また、MS戦闘の演出がムチャクチャにカッコ良かった! 特に第1話の本編の最初から主人公コウ・ウラキ少尉がテストパイロットとして旧ジオン軍のザクに乗って、新型のパワード・ジムと模擬戦闘をやっているシーンが描かれており、英語版の主題歌をBGMにして戦っていたんですが、これがもう最高にカッコ良かったんです。
そして、もうひとつの特徴が、敵であるジオン残党側をカッコ良く描いたというところです。これは完全にMSV以来のジオン好きなガンダムファン向けの演出だと思いました。
作品冒頭から、いきなりア・バオア・クーでの戦いが描かれておりまして、ここで旧ジオン軍のMSが乱舞しているという。そこで、本作のライバルキャラにあたるアナベル・ガトー少佐が独自カラーのゲルググで無双してたりするんですね。このエースパイロットっぽい演出! ……ただ、後年「あれは旧ザク色」という指摘をどこかで読んで目から鱗が落ちたりもしましたが(笑)。
また、そこでゲルググを損傷させて帰還し、むりやり別のリック・ドムで出撃しようとしたところを、本作ラスボスのエギーユ・デラーズ中将(ア・バオア・クーの時点では大佐)に止められるのですが、このシーンの男臭さがたまらないという。「明日のために今日の屈辱に耐えろ」って感じで、松本零士入ってるんですよ。
第2話以降に出てくるジオン軍人もカッコ良い人が多く、地球のアフリカでゲリラ戦を行っていたノイエン・ビッター少将とか、自分も緑色の角付きザクで出撃して戦う武人ですが、指揮能力も高く、結局作戦を成功させているという。
外見からして悪人
逆に連邦軍上層部の方には、特に後半になると、のちにティターンズを結成するジャミトフ・ハイマンやバスク・オムの姿が見られ、完全に悪役っぽくなっているという(笑)。
このように、ジオン軍ファンにとっては、たまらない作品だったりするのですよ。登場MSもジオン軍系のMSがリファインされたり正常進化したようなものが多く、完全オリジナルのMSもいくつか登場するという。
その一方で、本作については連邦軍MSも結構カッコ良いものが多いので、MS的に言うと、ZガンダムやZZのMSにあった「コレジャナイ感」が感じられず、非常に満足がいくものになっているんですね。
それでは、次回からそのMSについて、いろいろ見ていきましょう……今回も長くなりそうだぞ(笑)。
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