第160話 獣神ライガー(1989-90年)

 入れるか入れないか迷った『獣神ライガー』なのですが、応援コメントで狼煙様に「スパロボに参戦したことがある」という情報を教えていただいたので、ロボ扱いとして当エッセイでも書くことにいたします。あと、これを「生物由来のバイオアーマーだから」ってオミットしちゃうと、エヴァも怪しくなっちゃうので。


 しかしながら、これ二千字書けるのかというと非常に怪しいのです。なぜなら、リアルタイムで見て一話切りしてしまったんですよ。


 これを一話切りした理由は非常に明確でして、ライガーのデザインが気にくわなかったという。最初に入れるかどうか迷ったように、非常に生物的で、ぶっちゃけムキムキマンな巨大ヒーロー風だったのですよ。キン肉マンGO!FIGHT!!という感じで(笑)。ぼくのかんがえた超人By永井豪というか(笑)。


 いや、キン肉マンは大好物なんですけど、やっぱりロボとは違うというか。


 それでいて、演出的にはロボなんですよ。これがまた、非常にスーパーロボしてて、ストーリーは全然悪くなかったんです。


 古代の神の血を引く主人公大牙たいがけんが、古代の神が作ったバイオアーマー・ライガーに選ばれて急に乗せられてしまって、武器も何も無いところで、思いつきで「ライガーソード!」って叫ぶと本当に剣が出てきたんで「言ってみるもんだな」と言うとか、そういう展開は非常に好みだったり(笑)。


 ただ、第一話でクラスメイトの美少女がいきなり死亡するという。これ、当時のアニメ誌のスタッフに質問コーナーか何かで「あとで再登場したりしますか?」「しません」とか断言されてたのをおぼえています。


 Wikiとか読んでみると、このあともハードに人死が出まくる展開だったみたいですね。


 永井豪原作なので元デザインが永井豪なのは当然ですけど、キャラは当時のアニメの流行に合わせてリファインされてまして、アニメ誌で見たヒロイン姉妹(登場が第2話以降なのでアニメでは見てないので)とかのキャラデザも悪くなかったんです。


 終盤には、バトルスーツ・フラッカーって量産型ロボも出てるみたいで、ググってみた限りでは、こいつはロボっぽい外見ですね。変形もしてるらしいという。


 ロボっぽい外見といえば、後半パワーアップ後の獣神サンダー・ライガーは、鎧装備タイプなんでしょうが、結構ロボっぽい外見なんで最初からこのデザインだったら、もしかしたら見ていたかもしれません。


 そういうわけで、見てないから、これ以上語れないという(爆)。


 じゃあ、アニメじゃないのについては語れるのかというと、語れたりするんですねえ、これが。


 これ、タイアップでプロレスラーがデビューしてるんです。新日本プロレスの若手レスラーだった山田やまだ恵一けいいちが獣神ライガーになり、やがてアニメに合わせてリングネームとコスチュームも獣神サンダー・ライガーに変更したという。


 あ、中の人については、リアルタイム当時から「衆知の事実」です。プロレス雑誌で特集とかも組まれています。ただ、(プロレスでは「ギミック」と呼びます)としては「山田はリバプールの風になった」という有名なナレーションと共に海外遠征中に行方不明になっています(笑)。また、ライガーの出身地は「永井豪 ダイナミック・プロ内」とプロレスラー名鑑にも記載されていたという(笑)。


 ジュニアヘビー級という体重百キロ未満のクラスの第一人者です。何と、いまだに現役を続けているという。ただ、さすがに最前線からは既に外れており、ジュニアヘビー級のレスラーが所属団体を超えて集結してトップを争う「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」という興業からは昨年(2017年)を最後に勇退しています。


 この人がプロレスラーとしては現在進行形で多大な功績を残しておりまして、骨法の掌底や浴びせ蹴りをプロレス技に持ち込んだり、シューティングスタープレスというコーナートップから前向きに飛び上がって後方回転してマットに倒れている相手にプレスするという超絶技を開発したりと、プロレスの技術的発展に非常に貢献しているという。


 また、他団体のレスラーとの交流についても非常に貢献しており、前記の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」や、その原型になる「トップ・オブ・ザ・スーパージュニア」など、団体の枠を超えた「夢の交流戦」について、その交友関係の広さと政治力で実現に導くなど、プロレス界全体の振興においても力を発揮しているという。


 また、プロレスの枠を超えたところではオタクとしても名高く、特撮系への造詣が深いほか、フィギュアコレクターとしても知られており、一時はゲーム雑誌『ファミコン通信』で人生相談のコーナーも持っていたという。あと、前記のシューティングスタープレスは『北斗の拳』の南斗水鳥拳をイメージして作ったという話です。


 その特撮マニアの縁で、B級映画監督として知られる河崎かわさきみのるとの親交が深く、彼が監督した『世にも奇妙な物語』の「覆面」という話では本人(獣神サンダー・ライガー)役として主演しているという。


 テレビアニメが終わって既に28年にもなるというのに、それから派生したキャラの方が元気に現役を続けているという希有な例だったりするんですねえ。


 この獣神サンダー・ライガーを産みだしたということだけでも、本作は評価に値すると思っています。


 ……なのに何で一話切りしたのかって? プロレスにハマったのって、このあと大学時代になってから友人の影響で見始めて以降なんで、リアルタイム当時はキン肉マンと漫画『プロレススーパースター列伝』ぐらいの知識しか無かったんだよ!(爆)


 そうそう、主題歌についてですが、前期オープニングの「怒りの獣神」は超名曲です。燃える系アニソンとしては「立て!闘将ダイモス」と並ぶ最高の歌だと思っています。これ、当然のようにプロレスラー獣神サンダー・ライガーの入場曲としても使われていまして、28年間変わっていないという。むしろ、そっちの方で知ってる人の方が多いんじゃないかと思ったり。


 そして、一応二千四百字以上書けたけど、半分以上がプロレスラーの方についての記述という(爆)。


 89年の作品は、これ以外だと先に書いてしまったTVアニメ版パトレイバーくらいなんですよね。OVA作品も見ているものは無いので、次回から90年に突入します。これ以降は、毎年1~2本程度の紹介になるかなと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る