第139話 戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー2010 その4 デストロンの逆襲編

 2010語りも4回目、デストロン新メンバー編です。ということで、今回のサブタイトルはリアルタイム当時の玩具プロモーションキャンペーンからいただきました。


 ……と、その前にサイバトロンで書き忘れてた連中がいたので少し補足します。スロットルボットという、デフォルメされた小型自動車に変形する連中です。つまりはミニボットのバリエーションなんですが、こいつら何と玩具はプルバップゼンマイを積んでまして、つまりは本当にチョロQと同じという。


 ただ、登場はラス前なので2010での活躍はほとんど無かったりするのですが(笑)。なお、リーダーのゴールドバックはミニボットのバンブルが重傷を負って強化改造された姿だったりします。アメリカのTVコードのための死亡によらない転生ですね(笑)。一応『ヘッドマスターズ』にも出てきますが、大して印象が残っていないという。


 さて、いよいよデストロンの方に行ってみましょう。まずはダイナザウラー。こいつはメトロフレックスのライバル格で、やはり都市型基地から変形するのですが、ロボ形態ではなく巨大な恐竜形態に変形します。名前からして、まんま恐竜系ですね。


 前に応援コメントで、『ダンクーガ』や『飛影』など、当時のロボの野獣形態が強いのは、当時流行していた「ゾイド」の影響ではないかという説を@ikutose03様が唱えていらっしゃいましたが、このダイナザウラーあたりは、まさにゾイド系な感じですね。


 メトロフレックスのライバルである以上、当然一千メートル級の巨体です。その分、燃費も悪いようでエネルギーをバカ食いしてるみたいな描写がありました。


 トリプルチェンジャーの三人目、補給兵オクトーンと組んでガルバトロンに反逆したりしたこともありましたが、強キャラである割には負けシーンが多かったような印象があります。


 なお、このオクトーンも新登場キャラで、ジャンボジェットとタンクローリーに変形します。性格的にはスタースクリームの亜流といった感じの小悪党なんですが、本家スタースクリームの幽霊が出てきたときにはビビりまくったという(笑)。あのガルバトロンに反旗を翻したもんだから、すぐ許してもらったスタースクリームと違って破壊命令を出されたりしています。もっとも、『ヘッドマスターズ』ではなし崩し的に元サヤでデストロンに戻ってたりしてますが(笑)。


 スクランブル合体ロボにも三体目がおりまして、合体形態だとオボミナスといいます。分離するとテラートロン部隊になります。こいつらは、怪獣や怪物に変形します。変形後が怪獣や怪物なせいか、とにかく凶暴で知能が低いという感じの連中で、合体形態のオボミナスは知能が低い傾向にある合体ロボの中でも一番頭が悪いという設定です。


 ただ、こいつら正直言ってデザインはあまりカッコ良くありませんでした。スカージとかと同じで微妙なデザインという(笑)。


 そして最後の合体ロボが、巨重合体兵士プレダキング。分離するとアニマトロン部隊になります。名前のとおり、ライオン、ジャガー、イーグル、バッファロー、サイなどの野獣に変形します。


 このプレダキングは、それまでの合体ロボと決定的に違う点があります。それは、玩具がデカいこと。今までの巨大ロボもデカかったのですが、さすがに分離すると普通のトランスフォーマーよりは小型のロボになっていました。


 ところが、このプレダキングは、分離形態で普通のトランスフォーマー並みのサイズなんですよ。なので、合体すると超大型ロボになるという。


 設定上はダイナザウラーの方が遥かにデカいのですが、実際の玩具ではプレダキングの方がデカいという。当然価格も大したもので、分離状態でもバラ売りされてたのが二千二百円で、セット販売だと一万千円という、リアルタイム当時はトランスフォーマー史上最高価格の玩具でした。


 こいつらは、少なくともほかのデストロン新戦力よりはカッコ良かったですね。それでも、凄くカッコ良いという感じではありませんでした。


 さて、ここで注目していただきたいのが、こいつら新戦力のモチーフです。今までデストロン側のモチーフというのは、飛行機や兵器、銃器などがメインでした。まあ、サウンドウェーブとかみたいな例外もいますが。


 ところが、ダイナザウラーをはじめとして、2010以降は野獣や怪獣や怪物といったモチーフがメインになってくるんですね。


 どちらかというとカッコ良い兵器がメインだったデストロンに、これ以降は怪物的、怪獣的なモチーフが増えてきます。その転換点が2010だったんです。


 なお、今回紹介したメンバーは全員『ヘッドマスターズ』にも継続参戦しますが、メイン扱いにはなっていません。


 そういう意味では、やはり新戦力だった2010が彼らの晴れ舞台だったと言えるでしょう。


 さて、2010では第三勢力として、トランスフォーマーたちを作ったクインテッサ星人というのも出てきますが、正直言って変なデザインの変な連中としか思えませんでした(笑)。なお、一応『ザ・ムービー』でも裁判ごっこみたいなワケのわからんことをやってる端役として出てきています。


 何しろ、タコ型宇宙人がメカっぽくなって、顔が四面に付いているというような感じの連中ですから(笑)。トランスフォーマーは、彼らが作った奴隷ロボだったのです。そして、奴隷ロボのうち労働用のものがサイバトロンの先祖で、戦闘用のものがデストロンの先祖だったという。しかし、酷い扱いに耐えかねて反乱を起こしてクインテッサ星人を追放したのがトランスフォーマーの始まりだったのだそうです。


 謎なのは、こいつらタコ型宇宙人みたいに、丸い胴体に細い足とも手ともつかないような触手が生えているって体型なのに、作った奴隷ロボが両腕両脚を持つ人型だったということでして。普通、自分たちに似せて作るモンじゃないでしょうかねえ。もっとも、我々現代地球人が作っている産業用ロボットも人間とは似ていないと言われればそれまでですが。


 クインテッサ星人はシャークトロンという鮫型怪獣に変形するロボを相変わらず奴隷として使ってたりします。これがまた、ダサいデザインなんですよね(笑)。


 あ、そうそう、途中のある回に「スネーク」という名前のゲストキャラ(人間)が登場したんですが、こいつ顔も声も、完全に別番組の悪役そっくりという(笑)。当時、別に放送されていた『GIジーアイジョー』の悪の軍団「コブラ」のボスであるコブラコマンダーにそっくりだったんですね。最後に去るときも、決めゼリフの「コ、コ、コーブラ~!」って叫んでましたし(笑)。この『GIジョー』もアメリカのハスブロ社とタカラが組んで作ってたんですが、日本では人気が出ずに、すぐ終了しちゃいましたね。私は、あのアメリカンなセンスは結構好きだったんですけど。


 とまあ、2010について語って参りましたが、とにかくデザインセンスが80年代の日本アニメとはかけ離れていたというのが一番強烈な印象だったりします(笑)。


 たぶん、玩具はそんなに売れなかったんじゃないかなあとか思ったり。


 ……その割に、ウチにはロディマスコンボイとホットロディマスが両方あって、ウルトラマグナスとガルバトロンもあって、プレダキングはバラ買いしたけど結局全部揃えてて、メトロフレックスもあって、なぜかスカージまであって……こうして思い返してみると、ウチの弟って、やっぱトランスフォーマー大好きだったんだなあ(笑)。


 あと、最後に主題歌について。オープニングは初代トランスフォーマーのオープニングと並んで、非常にカッコ良い歌です。作品名やテーマも歌詞にしっかり組み込まれていますし。またオープニング映像もカッコ良いんですよ。『ザ・ムービー』の一部映像も使われていて、画質が凄く良いし。これは当時シングルカセット買ってましたね。


 エンディングは、当時流行りはじめていたラップ調の曲なんですが、登場キャラについて一言コメントが続いているという。つまり、明確に本作用の曲なんですよ。作品のテーマもしっかり歌っています。


 ということで、2010は新登場キャラがそんなに多くなかったので4回で収まってくれました(笑)。


 さて、いよいよ次は87年に突入……かと思っていたら、重要な作品をひとつ忘れていたことに気付きました。この『トランスフォーマー』シリーズの影響を受けた作品があったんですよ。


 その名は『マシンロボ クロノスの大逆襲』! これに行ってみましょう!!

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