第120話 戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー その6 オレ、グリムロック!編

 トランスフォーマー語りも6回目ですが、デストロン側のキャラばかりだと不公平なので少しはサイバトロン側キャラも語ろうかと思ったり。……と言ってもコンボイ司令官以外に語りたくなるヤツがあまり居ないので、一番目立つグリムロックを代表につらつら書いていこうかなと思います。なので、今回のサブタイはグリムロックの定番セリフから。以前にどこかで読んだんですが、このセリフは英語でも「ミー、グリムロック!」だそうです(笑)。


 サイバトロンの基地は、岩山のふもとに墜落したサイバトロン宇宙船「アイアコーン」が元になっているのですが、そこに直結している洞窟も基地の一部として活用されています。その洞窟の中から恐竜の化石が発見されたので、それにヒントを得た技術者ホイルジャックが新たに作り出した恐竜型に変形できるトランスフォーマーたちが「ダイノボット」です。


 比較的初期のエピソードなんですが、トランスフォーマーの仲間の増やし方として「作る」というのがあるというのが明らかになっています。ただ、後半にスタースクリームがコンバットロン部隊を作ったときは「パーソナルコンポーネント」という自我の元になるパーツを第二次大戦時の兵器の残骸に埋め込んで誕生させていたので、仲間を増やす方法はひとつではないようです。


 ダイノボットですが、恐竜をモデルにしたためか、パワーと耐久力が高い反面、非常に頭が悪い(笑)という設定です。このため、話し方は常に片言で、リーダーのグリムロックにしてから、「オレ、グリムロック、とっても強い」とか、そういうセリフばっかりです。ちょっとでも賢い発言をした仲間がいると「お前、頭いい」ですから(笑)。同じ片言でもサウンドウェーブとはえらい違いです(笑)。


 また、性格もサイバトロンにしては好戦的でワガママだったりします。そのせいか、初登場時からコンボイ司令官の命令を全然聞かなかったり、メガトロンにだまされてコンボイを襲ったり、出撃命令を拒否してサイバトロンを脱走したこともあります。


 ただ、そういった経験のたびにコンボイ司令官やサイバトロンに協力する地球人スパイクたちに助けられたりして、サイバトロンとしての自覚が芽生えていったようで、第一作後半や続編になると比較的協力的になります。


 なお、普通のトランスフォーマーは普段はロボット形態で生活していて、移動時や戦闘時のみトランスフォームすることが多いのですが、こいつらは普段から恐竜形態で生活していることが多く、戦闘時も恐竜形態で戦うことが多いので、あまりロボット形態を見たという印象がありません。


 こいつら、とにかく「頭は悪いけど強い」という尖ったキャラ立ちをしています。キャラが面白いので人気があり、ダイアクロンの恐竜ロボからの流用という初期商品なのに、第三作の『ヘッドマスターズ』まで登場していました。


 なお、ライバル格の敵として建設重機が変形するビルドロン部隊が合体する巨人兵デバスターがいます。体格とパワーが圧倒的なデバスターに対抗できるのは、初期はダイノボットだけでした。のちにサイバトロン側にも合体戦士スペリオンが登場しますが、デストロンにもライバル格の新合体兵士メナゾールが登場するので、デバスターのライバルはダイノボットという位置づけは変わりませんでした。


 ほかのサイバトロン戦士というと、個々に活躍するエピソードはあったりしますし、それなりに個性的な連中なのですが、何というかスタースクリームやサウンドウェーブほど強烈な個性は持ってないんですよね。


 ただ、今になって気になるところがあります。日本の玩具であるカーロボットの流用であるせいか、アメ車が少ないんですよ(笑)。


 コンボイ司令官のトレーラートラックはアメリカのフレートライナー社のものがモデルだそうです。元から日本では少ない車種ですし、元ネタが映画の『コンボイ』ですから。それと、ハウンドが変形するジープはアメ車でしょう。それ以外には、コルベット・スティングレーに変形するトラックスぐらいしかアメ車系がいないという(笑)。


 もっとも、そのせいかトラックスは2~3回、彼が主人公の回が作られてましたし、サイバトロンでは珍しく自動車形態で飛行できるという特徴がありました。


 ほかは、技術者というか発明博士としてキャラ立ちしていたホイルジャックがランチア・ストラトスでイタリアのスポーツカーになり、同じくイタ車系スポーツカーとして当時人気があったランボルギーニ・カウンタックから変形するのが、色違いや仕様違い(パトカーとかレーシング仕様とか)で三~四人います。これ、ダイアクロンのカーロボット時代に、初期型のカウンタックロボがいまいちカッコ悪かったので、のちにニューカウンタックロボが出てるんですね。


 スポーツカーではドイツのポルシェから変形する副官マイスターのほか、日本のフェアレディZ(アメリカではダットサンZ、通称「ズィーカー」として有名)から変形するのが、やはり仕様違いで三人くらいいます。


 実用車で消防車から変形するインフェルノも、救急車から変形して味方を修理するので出番が多いラチェットも日本車がベースだったりします。元が日本の玩具なんで当然ですけど。とくにラチェットと、その色違いのアイアンハイドは玩具とはキャラデザがまったく違います。これ、元になったカーロボットのワンボックスロボのロボ形態がかなり酷いデザインだからだと思います。何しろ、頭すら付いてないというか、車のフロントグラスが頭になってるみたいなデザインでしたから。なお、そのせいかどうか知りませんが、玩具についてはラチェットは前に書いたダージと同じくポイントを集めて貰う形でしか販売されず、アイアンハイドは市販されませんでした。


 カーロボット時代に私が好きだったシティロボは、さすがに日本車色が強すぎたのか見た記憶が無いので登場してないのかと思っていたら、Wikiによると戦士スキッズとして二回ほど登場してたようです。全然おぼえてませんでしたけど(笑)。


 ほかに、ディフォルメされた小型自動車に変形する戦士たちもおり、とくにバンブルは地球人スパイクと親友になる重要キャラでした。ただ、こいつも変形するのはドイツ車のフォルクスワーゲン・ビートルなんですよね(笑)。ハリウッド映画版だとハリウッド映画版だとバンブルビーって名前で変形後もシボレー・カマロってアメ車になってましたけど(笑)。


 このバンブルたち小型でデフォルメされた車に変形する連中の自動車状態のモチーフって、明らかに「チョロQ」だと思います。チョロQというのは80年代初頭に大ヒットしたタカラ製のプルバップゼンマイ動力(後ろに引いてゼンマイを巻いて走らせる)のミニカーです。『コロコロコミック』で連載されていた漫画『ゼロヨンQ太』とか好きだったなあ。主人公Q太が使うチョロQ「マグナム号」が欲しくて、それが付いてくるサーキットセットを買って遊んでいたおぼえがあります。あと、ダグラム、ボトムズ、ゴーグはチョロQ版が出てましたし、ダグラムに至っては『チョロQダグラム』なんて映画まで作られていましたね。思えば、今で言う「スーパーディフォルメ」をバンダイの「SDガンダム」より先行してやってたんですよね。「Qロボ ゴーグ」なんてのもあったな。このタカラの二頭身系統は、やがて『魔神英雄伝ワタル』という名作に行き着き、そして現在までも続いているビーダマンシリーズなどにつながっていくわけですが。閑話休題。


 とまあ、色々と脱線してしまいましたが、要するにアメ車少ないんですよ(笑)。元が日本産だからしょうがないとはいえ、デストロンの方も主力のジェットロンがアメリカ製F-15なのはともかく、総帥のメガトロン様はドイツの銃だし、サウンドウエーブのラジカセやリフレクターのカメラは当時日本製が世界中を席巻してました。アメリカ産アニメの割にはモチーフがワールドワイドです。もっとも、それだからこそ世界中でヒットしたのかなあとも思ったりするのですが。


 さて、これ以外で語りたい連中というと、やはり合体ロボですね。次回はデバスター以下の合体兵士や合体戦士について語りましょうか。


 「さあ、戦いだ!」

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