第105話 機動戦士Zガンダム その16 四番目だったからフォウなの編

 Zガンダム語りも16回目。そろそろ巻いていきたいところなのに、どうしてこんなに話数ばかり増えていくのか。今回はヒロインズを語りましょう。サブタイトルは、フォウ・ムラサメが自分の名前の由来を語った名ゼリフからいただきました。


 まずは、メインヒロインのファ・ユイリィ(笑)。カミーユの幼なじみという、どう考えても前作のフラウ・ボゥのポジションだったので、今回も最終的にフラれて終わりかと思っていたら、まさかの最終勝者という(笑)。ただ、フラウに比べると美人です(笑)。


 一度も戦わなかったフラウと違って、エウーゴのMSパイロットに志願して訓練を受け、戦闘に参加します。しかしながら、素人に多少訓練したところで大した戦力になるわけでもなく、最終盤まで基本的にパイロットとしての能力は高くありません。


 もっとも、ほかのメンバーがバカスカ戦死していく中で最後まで生き残ったということだけで大したものだと言えるかもしれませんが。


 乗っているのは主にメタス。まあ、この機体で活躍しろというのが無理というものでしょう(笑)。


 結局、カミーユへの一途な思いは変わらず、彼が精神崩壊を起こしたあとも付き添います。ZZでは、その思いをみんなわかっていたのか、半ば事故的な扱いでアーガマを離脱。作中でもカミーユを献身的に支えている様子が描かれ、最終的にはZZ最終回で復活したカミーユと共に居る姿が描かれています。


 劇場版では、そんな手間端折はしょって、カミーユは直接彼女のもとに宇宙遊泳して帰ってきます(笑)。


 なお、Zガンダム作中ではシンタやクムといった子供の面倒を見る係でもあり、彼らを風呂に入れていた場面でサービスシーンがあります(笑)。


 そのシンタとクムについてですが、前作ガンダムのカツ、レツ、キッカに当たる子供枠なものの、印象は薄いんですよね。Zガンダムの作風には噛み合わなかった感があります。ZZにも継続登場しますが、Zガンダムよりは合いそうなものの、やっぱり大した印象は残らずに途中退場しています。閑話休題。


 当て馬と思わせておいてメインヒロインだったという、フラウ・ボゥの逆を行ったキャラですね。


 なお、スパロボでもメタスと一緒に頻繁に登場するものの、戦闘力が低いかわりに回避力が不思議と高いのは、やはり原作で生き残ったところが評価されているんでしょうか(笑)。


 さて、お次は一番人気の悲劇のヒロイン、フォウ・ムラサメです。こいつについては、私の処女作のヒロインの四人のモデルのうちのひとりだったりします。なので「なろう」の活動報告でも2015年 6月23日に書いたことがあります。そこで書いたのは自作のヒロイン、フィーアについてがメインなので、フォウがらみのところだけ抜粋して加筆します。


 悲劇の強化人間、ムラサメ研究所の四番目の実験体です。人工的に作られたニュータイプということですね。記憶も奪われていて、それを戻してもらうという条件で戦わされています。四番目だからフォウというのは、作中でも語られてる名前の由来で、このあたりは非常に有名です。後年『ギレンの野望』で「ゼロ・ムラサメ」なんてオリジナルキャラの先輩が出てきたりする原因ですね(笑)。


 なお、自作のヒロイン、フィーアはドイツ語の四だったりします(笑)。実はフォウからは名前だけもらって、ほかの設定は特に追加の予定は無かったのです。しかし、一度味方になった後で主人公と殺し合うというのを無理なくさせる方法は何かないか、と思っていたときに、フォウの「強化人間」という設定に気がつきました。どうせなら、これ使っちゃえ、と思ってフィーアにはどんどん後付けでフォウっぽい属性がついていったのです。


 ところで、フォウの「四番目の実験体」はいろいろな所でキャラのモデルになってますが、私が特におぼえているのは、パソコンのアドベンチャーゲーム『第4のユニット』シリーズです(制作会社:データウエスト)。ヒロインの「ブロンウィン」は四番目に作られた人造人間の超能力少女でした。PCゲームとしては第七作まで作られたので、そこそこ知名度はある方だとは思うのですが、家庭用ゲーム機コンシューマーへの移植は、あのメガCDに予定されていたのがポシャってしまったので、一般知名度は無いに等しいかと思います。知っている人、少ないだろうなあ。閑話休題。


 緑のショートカットが印象的なキャラです。切れ長の鋭い目は、実の所美人というには少し難があるのですが、私的にはドストライクでした(笑)。


 ホンコン・シティで偶然カミーユと出会って意気投合し、一気に恋人関係まで行ってしまいます。お前ら展開早すぎ……と言いたいところですが、デートシーンは真面目に描かれているのでマックス&ミリアの超展開よりは遥かにマシ(笑)。


 しかし、サイコガンダムのパイロットとしてカミーユと戦うハメになります。このとき、いかにも洗脳されているというか、サイコガンダムに逆にコントロールされているような演出が入ったりしています。そのせいでサイコガンダムは「悪魔のマシン」みたいに言われています。このあたり、のちに『Gガンダム』のデビルガンダムに受け継がれたのかなとか思ったり。スパロボで自軍機になることが少ない理由でもあるでしょう。


 しかし、最終的にはカミーユの説得で正気を取り戻し、カミーユを宇宙に戻すためのシャトルを発進させる手助けをします。TV版では母艦である大型機スードリにサイコガンダムを特攻させたことは前に書きました。このときは死んでおらずに、キリマンジャロで再登場します。そこで再びサイコガンダムに操られてカミーユと敵対しますが、これまた説得で正気を取り戻し、今度はカミーユをジェリドのバイアランからかばって戦死します。


 それで作中では「ララアの悲劇を繰り返してしまった」とアムロやシャアが嘆いているのですが、ここは「ちょっと待て!」と言いたい。


 フォウは一貫して「正気を取り戻したあとはカミーユの味方」です。そして、二度とも「カミーユの説得で正気を取り戻して」います。要するに、交感しあったニュータイプ同士のアムロとララアのように「分かり合ったのに敵として殺し合ってしまった」関係ではないのですよ。「最初は敵として殺し合ったけど、分かり合ったら殺し合いをやめた」関係なんです。


 交感し合ったあとでも殺し合いをやめずにララアを巻き込んで殺したお前らが同列に語るんじゃない! ……とか思ったり(笑)。


 なお、劇場版ではホンコンのシーンでカミーユのシャトル発進を助けた時点で射殺されてしまい、二度目の登場はありません。また、声優も変わっているのですが、そのことにTV版の声優だった島津冴子が不満を漏らしていたのが印象に残っています。思い入れのあるキャラだったんですね。


 上記のように、戦場での説得で正気を取り戻しているので、非常にスパロボのイベント的に相性がよく、何度もカミーユでの説得イベントがあったりします。同じ時系列のシリーズで二回説得イベントがあったりすることも(笑)。ただ、味方にはなってもサイコガンダムは失われるのが普通ですが、ほかの機体に乗せても充分強いパイロットです。


 スパロボでの印象も含めて、非常に印象に残るキャラでしたね。


 さて、次回は残りヒロインのロザミアほかについて語りましょう。予告しておきますが、普通は書かないような結構変なこと書きますよ(笑)。


 君は、33年の涙を見る。

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