第67話 超時空要塞マクロス その9 パイン・サラダ編

 マクロス語りも9回目、こりゃ二桁乗るわ。本当にガンダム並みになってきたぞ、オイ!(笑) えー、巻いていきたいと思います。キャラ語り編の3回目は、フォッカー先輩ほか。なので、サブタイは死亡フラグとして有名な第18話のサブタイです。このサブタイのアイデアも「なろう」の感想欄でSamon様からいただきました。感謝。


 ということで、ロイ・フォッカー少佐です。輝の先輩で、統合戦争を生き抜いた凄腕のエースパイロット。豪放磊落ごうほうらいらくな頼りになる兄貴……というイメージの陰で結構気配りしたりしてる、なかなか管理職に向いてる人。


 ドクロのマークの愛機を駆る姿は本当にカッコ良く、エースの風格が漂っていました。また、恋人のブリッジクルー、クローディア・ラサールとのお付き合いも、小粋な大人の雰囲気が漂っていたり。


 要するに、リアルタイム視聴時には凄く「大人のおとこ」って雰囲気の人だったんですよ。


 それが、途中で死んじゃう。いやね、タイプとしては『ガンダム』のリュウ・ホセイとスレッガー・ロウを足して二で割ってないような人だから、あとから考えると実に途中退場しそうなタイプなんですよね。『グレンラガン』の「兄貴」カミナと一緒で、死んだあとで「ああ、そうか!」と分かるという。


 んで、そういう人こそ「あっさり」死にやすい。とはいえ、納得いかないのは何で病院に行かなかったのかと。この人、被弾したけど自力でマクロスまで帰還してるんですよ。それで、パイロットスーツから軍服に着替えて、クローディアの部屋まで行って、ギターまで弾いてる。帰還途中で、いかにも苦しそうにしてるのに。


 致命傷だったのかもしれんけど、ちょいカッコつけすぎでしょうと。帰ってきて、機体のコクピットで事切れてたんなら、まだ「間に合わなかった」「意地でも『撃墜』されずに帰ってきた」ってことで凄腕パイロットっぽい最期と言えなくもないと思います。だけど、帰ってきたあとで病院にも行かないで、恋人の部屋で倒れるとか、何をやっているのかと!


 これねえ、演出意図でこういうシーンやるんだったら、幻にしないとダメよ。帰還したフォッカー機のコクピットを見て整備員が驚くシーンの次は、クローディアがパイン・サラダを作ってる所にフォッカー先輩の「クローディア、すまないな」みたいな声(微妙にエコーかかってる)がして、クローディアが「あら、ロイ、来たの?」みたいな感じでリビングをのぞいたら、ソファに座っていたフォッカーがクローディアに向けてフッと笑って、消える。んで、クローディアが「えっ!?」みたいな感じで驚いたところに、未沙から電話が入って「クローディア、急いで病院へ行って! フォッカー少佐が!!」みたいな未沙のセリフの直後に、パイン・サラダのボウルがガシャンと落ちるところがアップになる。


 これなら納得がいくのになあ。


 いやまあ、ギターの音が途切れて……ってシーンもカッコ良くはあるんですよ。ただ、やっぱり納得はいかんなあと(笑)。


 なお、劇場版だとカムジンと相打ちになりますが、ノベライズだと何だかあっさり風味だった記憶があります。


 さて、その恋人のクローディア。この人がまた「できた人」。恋人としてフォッカーを優しく包む包容力の持ち主で、仕事でも有能。きゃぴきゃぴ系のブリッジ三人娘をしっかり指導監督するだけでなく、有能だけどキツい系の未沙に対しても指導や励ましを欠かさず、グローバル艦長を支えています。


 ……この人、どう考えても副長なんだけど、なぜか役職は航法・火器管制オペレーターでしかないんですよね。……ってか、たった今気付いたけど、普通航法オペレーターと火器管制オペレーターは分けるだろ! ヤマトだったら古代と島の役目をひとりで兼ねてるようなモンだぞ!?(笑)


 よく考えたら、マクロスって幹部士官居なさすぎ。ホワイトベースと違って、きちんとした進宙式の真っ最中に敵が攻めてきたんだから、航海長とか航宙長みたいな航法の責任者とか、砲術長とかみたいな火器管制の責任者とか居るはずなのになあ。まあ、マクロスはデカいんで、ブリッジ以外に操舵室とか火器管制室が別にあって、そこに詰めてる責任者とクローディアが連絡取って艦長と間をつないでるという可能性もあるんですけど、そういう設定見たこと無いんですよね。


 あと、これはヤマトとガンダムのせいかもしれんけど、何で軍艦に副長がいないのかと! ヤマトで正式に副長が置かれるのは『ヤマトIII』以降で、しかも二名体制だし。ホワイトベースではミライさんが事実上の副長だけど、役職は最後まで操舵手だったし。これらが前例になっちゃったのか、マクロスでも副長不在なんですよねえ。


 グローバル艦長が准将なのはわかるんですよ。戦艦大和とか武蔵は巨艦なんで特例として大佐じゃなくて准将が艦長だったって、この当時既に読んでた吉村昭『戦艦武蔵』とかで知ってたから。


 だったら、大佐か中佐の副長が居てしかるべきなのに、どうして作中だとクローディア「中尉」が副長っぽい立場に居るのかと。


 ……って書いたら、「なろう」の方の感想欄でsugi様から「副長らしきマイストロフ大佐という人が居ます」というご指摘が。三十六年目にして初めて知りましたよ!(笑)。


 ブリッジクルーが艦長以外全員女性で「女の園」になっちゃってたりするあたり、モブで女の子をたくさん出したいというスタッフの意図が見えたりするのですが、これもマクロスあたりが最初なんですよねえ。同時に「男女雇用機会均等法」施行のちょっと前という時代背景も映し出してたりするんだろうなとか思ったり。


 ああ、もっと書くつもりだったのに、また二人で終わってしまった……次回こそ巻いていきます(←いつもそう言ってるな)。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る