第66話 超時空要塞マクロス その8 バージン・ロード編

 さて、マクロス語りも8回目、キャラ語り編の続きです。今回のサブタイは第25話サブタイからいただきました。何でコレかというと、ミリア・ファリーナ・ジーナスとマクシミリアン・ジーナス(以下マックスと略)をメインに語ろうと思ったからです。特にミリアについては、詳しく語りたい所でして。


 今回も、冒頭部は「なろう」の2015年 6月23日の活動報告からの転載に加筆修正したものになります。


 ということで、まずは女性パイロット、ミリアについて。この人、実は一度たりとも「ヒロイン」ポジションに立ったことは無いんですよ。ググってみたらドリームキャストのゲームで一回それっぽい立場になってるようですが、アニメではことごとく「脇役」なんです。


 ただ、並みのヒロインなんぞは軽く吹き飛ばすくらいにインパクトがある女性キャラではあります。まず間違いなく、私の知っている限りでは、リアルロボット系の女性パイロットでは最強クラス。ニュータイプやパーフェクトソルジャーといった特殊能力を抜きにした純粋な操縦技術なら、絶対に全ロボットアニメで五指に入る凄腕です。


 正直、マクロスをリアルタイムで見ていたとき、本来のヒロインポジションである未沙やミンメイよりも、ミリアの方がよっぽど魅力的に思えました。だって、戦う女性が好きなんだもの。


 とはいえ、今回サブタイにいただいた第25話での超展開には正直、ついていけないものがあったのは事実です。とはいうものの、インパクトは絶大でした。


 だって、マックスと殺し合いしてた所から、いきなりキスして、次のシーンは結婚式ですぜ!


 そもそもが、マックスと空戦して負けた――とは言っても撃墜されてるわけではない――ので、相手に復讐するためにマイクローン化してマクロスに潜入してくるというアクティブさ。マクロス内でどうやって生活してたんだろうと思ってたら、「このゲームで生活してた」なんてセリフがあるところからすると、勝つとコインが出るカジノ式のゲーセンでバルキリーの空戦ゲームで勝ちまくってゲームセンター荒しをやってたようで(笑)。最初にどっかでコイン恵んでもらったのかな?


 ところで、作中に出てくるバルキリーの空戦ゲームなんですが、きちんと変形して対戦プレイができるという優れもの。いやまあ82年レベルなんでワイヤーフレームで描かれてたりするんですが(笑)、リアルタイム当時としては未来的なゲームに思えたものでした。だって『ゼビウス』の登場が83年なんですから。ただ、このゲームってバルキリーが変形してるんですよね。第1話ではバルキリーが変形するのって軍事機密扱いだったような気がする(民間人は知らない上に、輝がフォッカー先輩にロボに変形する理由を尋ねたら「機密だ」とか誤魔化す)んですが、いつゲームになるくらい公開されたんでしょう?(笑) まあ、マクロスの中に住んでるなら知ってて当然でしょうけど、もしかしてこのゲームもマクロス内で開発されたとか? マクロスなら有り得る話ではありますが。閑話休題。 


 それでゲーセンでマックスとバルキリーの空戦ゲームで対戦し、そこでも負けたことで、空戦で負けた相手がマックスだったことに気付くという。マックスの方はンなことは知らないからナンパして普通にデートに誘ったつもりが、待ち合わせ場所でいきなりナイフ突き出されて殺されそうになるも撃退。ここで三度目の敗北を喫して心が折れたミリアが「殺せ」と叫ぶ……え、もしかしてこれ「クッ殺」さんの原型?(笑)


 そのシチュエーションでキスしちゃうマックスの方も大概だとは思うのですが、そもそも文化を知らずキスを見ただけで大衝撃を受ける初心うぶなゼントラーディ娘としては、心が折れた所でをされちゃったら一発落ちするのも無理はないかなあとか思ったり(笑)。


 第二部では真紅のJ型バルキリーを駆って、夫マックスと共に戦うんですが、生んだばかりの娘コミリアも戦場に連れてったりするんだよなあ……まあ、そのコミリアが工場衛星奪取作戦では、相手の心を折る決め手になったんですが。


 なお、このコミリアはPCエンジン版ゲームではミドルネームの「マリア」で呼ばれてシューティングゲームの主人公になったりしています。その後で作られたSLG『永遠のラブソング』でも中盤に助っ人として主人公の部隊に合流します。


 さて、夫の方のマックスですが、こいつは主人公の輝を差し置いて最強パイロットだったりします。最初は輝の部下として登場するんですが、こいつが新人ルーキーのくせに部分的に青色というパーソナルカラーのA型機に乗ってたり。


 初陣で、いきなり宇宙での空戦中にバトロイドに変形して敵機を撃墜したりして、輝に「こいつは天才だ」と思わせています。とにかく作中で苦戦したのがミリアを相手にしたときだけという凄腕っぷり。「天才」の名を欲しいままにしています。


 ただ、天才というのは思考の方も常人とは違うようで、ミリアに一目惚れしたら、そのあとは相手がゼントラーディだったとしても気にしないで口説き落として結婚まで一直線という(笑)。


 第二部では全体が青色になったJ型でミリアと共に活躍。この青いバルキリーが欲しかったんですよねえ。


 主人公の輝を差し置いてカッコ良さと強さでナンバーワンのキャラをやってました。


 なお、こいつら続編の『マクロス7』でも重要キャラとして出てきます。何しろ、末娘(七女)のミレーヌがヒロインですから。そこでの「変わらなさ」と「変わりっぷり」が両方凄いという恐ろしいコンビなので、これについては『マクロス7』のところで詳しく書こうかなと思います。


 ちなみに、ミリアは私の処女作におけるヒロインのモデルのひとりだったりもします。なので「殺し合いからキスしてカップル成立」という展開をパクったのですが、それを不自然でないように描こうとしたらカップル成立まで連載開始から1年と1か月、22話44部分41万字を費やすハメになったという(爆)。処女作でこんな無茶な設定パクるもんじゃないですよ、ホント……(笑)

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