第65話 超時空要塞マクロス その7 やさしさサヨナラ編

 マクロス語りも7回目。キャラ語り編に突入です。ただ、これは一部を除いて流してく予定です。サブタイはTVの最終回サブタイをいただきました。主人公とヒロイン二人ならこれかなと。


 主人公、一条輝は性格的に言うと、全然ロボ系主人公ってタイプじゃありません。そういう意味で、アムロ・レイと双璧だったりします。ただ、それじゃあユニークな性格かというと別にそうでもなく、こいつみたいな性格の主人公はラブコメだったらよく居ます。なあ、春日かすが恭介きょうすけ?(←『きまぐれオレンジロード』主人公)


 要するに、超優柔不断(笑)。そこらに居る普通の男子というコンセプトだそうで、確かに居そうだなという感じではあるのですが……この性格はモテねえだろ、普通。まあ、そこは主人公補正と顔ってことなんでしょうが。


 パイロットとしては、若くしてスタントパイロットやってて優秀だったりします。機体は何度か壊してますが、うち一回は格闘戦で巨人に殴り負け、もう一回は味方の友軍誤射フレンドリーファイアです。軍人になってからは敵に空戦で落とされたことは無かったはずです。1~2話でワケも分からないうちに展示されてた練習用バルキリーで飛ぶハメになったときのことはノーカンでいいでしょう。むしろ、あれで生き残ってるんだから腕はあると言っていいかと。その点では主人公として必要な能力は持っています。


 別に大人しい性格というわけではなく、第1話では軍のアクロバット飛行隊の中に強引に飛び込んだりしてますし、上官にあたる未沙とも結構口喧嘩してたりします。意外にやんちゃ系だったり。


 それなのに、とにかくフラフラしてて優柔不断な印象があるのは、実は第二部のせいなのかなと思ったり。第一部だとミンメイに告白してフラれてるし、そもそも未沙のことを完全に意識するのって、そのあとのことだし。


 第二部って、ストーリーライン上のもうひとつのメインテーマだった異星人との戦争が終わったあとの話なんで、ラブコメ展開の方がストーリーラインのメインになっちゃってるんですよね。そりゃ優柔不断にしないと話が続かんわ(笑)。実は放送延長の犠牲者だったりするのかもしれません(笑)。


 そのお相手役、本作のメインヒロイン早瀬未沙については、かなりの罠が仕掛けてあります。キャラデザ変わってるんですよ。初期に比べて後期は目が大きく描かれるようになったり、髪型が野暮ったいのから変わったりしてる。本稿書く直前に、このことに思い至ってググってみたら、Wikiにも制作側が意図してやったこととして明記してありました。


 ただ、不思議なことに、リアルタイムで見てたときはそんなこと気付いてなかったのに、未沙の方が当て馬サブヒロインのリン・ミンメイより美人だと思ってたんですよね。それも比較的初期の頃から。


 個人的には強気ヒロインスキーなんで、パリッとした軍人タイプの未沙は好みの類型だったりはするんですが、それも影響してたのかもしれません。


 それが、第二部になって輝への恋心を意識するようになったあとの言動がまた可愛かったりするんですよねえ。このあたりギャップ萌えの最初期の類型なのかなとも思ったり。


 その未沙に下克上されて当て馬扱いになってしまったのが、サブヒロインのリン・ミンメイ。ただし、最初期はどう考えてもこいつがメインヒロインって演出されてます。これは制作側が意図してやったことだとWikiに書いてありました。


 最初は偶然知り合った中華料理屋の看板娘だったのが、「ミス・マクロス」コンテストで優勝して、アイドル歌手としてスターダムにのし上がっていくというシンデレラ・ストーリーの主になってしまい、縁遠くなっていくという。


 ところで、この「アイドル歌手としてスターダム」って、実は「マクロスの中だけ」の話なんですよね。要するに、南アタリア島の町からマクロス内に移り住んだ約五万八千人の中だけの話という。ローカルアイドルなんですよ。ちょっとググってみたら、沖縄の糸満市とか新潟の南魚沼市と同じくらい。あと、東京都千代田区の住民人口(昼間人口は膨大になるはず)もそれぐらいのようです。


 なので、実は容姿とかはローカルご当地アイドルレベルなんじゃないかなとか思ったり(笑)。AKBとかのグループアイドルに入ったら下の方扱いの可能性もあるんじゃないかと。


 まあ、最終的にはマクロス住民が全地球人類の生き残り(ほかにも生き残った地球人類は月面とかにも居たようですが)になってしまうので、第二部じゃあ世界のアイドルと言っても間違いではないんですが。


 ミンメイについては、第2話で「命と髪の毛とどっちが大事?」と輝に問われて「もちろん髪の毛!」と答えるシーンが有名だったりしますが、よく考えてみるとイイ度胸してます(笑)。まあ、そんぐらい度胸がないとポッと出からアイドルになるとかやってけないのかもしれませんが。


 私の場合、第一部でもミンメイへの思い入れは少なく、第二部では完全に未沙派でした。


 ただ、マクロスという作品のユニークさである、メカやロボと美少女アイドルという組み合わせの象徴として、欠かせない存在ではあると思います。


 といったところで、今日はここまで。次回は別の意味で重要なサブキャラたちに登場していただきましょう。

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