第60話 超時空要塞マクロス その2 愛・おぼえていますか編

 えー、マクロス語り2回目です。慣例にのっとり(笑)、サブタイは劇場版タイトルですが内容とは関係ありません。


 何と1回目でバルキリー語りについて書き残してしまったので、続きです。


 バルキリーは最初からバリエーションがあると前回書きましたが、主人公が乗るのはレア機のJ型――型式番号VF-1J――です。一番最初に乗るのは練習機のD型ですが、軍に入ってのちはJ型に乗っています。このあたり、パイロットとしての技量を買われての特別扱いの可能性があります。ただし、設定上はJ型機も量産機です。実際、作中にも一般量産機A型と同じカラーリングのJ型が登場したことがあります。


 そう、マクロスの何が画期的だったって、主人公である輝が乗るのが完全量産機なんですよ!


 ザブングルでは二機出てきたとはいえ、実際は二機のみしか作中では登場していません。ダグラムは量産前提だったとはいえ、量産する前に工場が破壊され設計図も破棄されたのでワンオフ機になってしまいました。ダイラガーの量産機は実戦配備されず、しかも外見は全然違います。アクロバンチやバクシンガーは外見は同じですが、変形機構がオミットされたり少し違ったりしています。


 主人公が完全量産機に乗るのはマクロスが初です。また、主人公の愛機は敵の捕虜になる時点で一度破壊され、帰還後に同じ型の機体に乗り換えています。あと、味方の攻撃による誤射で撃墜されたこともあります。それから、先輩ロイ・フォッカーが戦傷死(直接戦死したのではなく、戦闘時に受けた傷が元で帰還後に死亡)したのちには、その愛機S型――ロイ・フォッカースペシャルという異名あり――を譲り受けて乗り換えています。この機体に乗り換えて以降は乗り換えは無く、最終話まで愛機として使い続けます。


 このS型、顔が主人公ロボ然としたJ型に比べると少し凶悪なつらがまえをしています(笑)。また、ロイ・フォッカーの趣味からかドクロ(スカル&クロスボーンズ)のマーキングがされていて、あまり主人公機っぽくありません。実際、オープニングの最後でポーズ決めてるのは最後まで初期の輝の愛機である赤いラインの入ったJ型です。


 主人公が別機体に乗り換えるのは、同年前半のザブングルとイッパツマンで既にやっていますし、同じデザインでの乗り換えならメカンダーロボという前例もありますが、ここまで兵器然とした扱いでの乗り換えはこれが初でしょう。これ以降でも、『ボトムズ』ではもっとドラスティックにやってはいますが、そんなに例がありません。マクロスシリーズですら『マクロス7』では愛機乗り換えがなかったりします。


 兵器っぽさというと、オプションパーツの追加があったりします。いやまあ、そもそも中盤パワーアップはマジンガーがスクランダーでパワーアップして以来の巨大ロボの伝統だろうとか、兵器ロボとしてもガンダムのGメカ(スーパー系っぽいけど)とか、ダグラムでも武装追加してヤクトダグラムになったとかいうのはあるので、斬新というわけではないです。


 ただ、最初の強化パーツを付けた形態の「アーマードバルキリー」って、輝は一話しか使ってない使い捨て装備なんですよ(笑)。全身にミサイルを内蔵した追加装甲をかぶせたタイプです。


 これ、よく考えたらギャンの盾と同じで、ミサイルを全身に内蔵してるってヤバくねえか?(笑)


 まあ、遠距離からミサイル撃ってしまえば、あとは追加装甲なんでいいんでしょう。また、追加装甲を装着した状態だと変形できませんが、この追加装甲は簡単にパージ(切り離し排除)できます。


 それ以外のパワーアップパーツとしては、腕部にミサイル発射機構を備えた追加装甲を、脚部と背部に補助ブースター(背部のものはミサイル付き)を追加した「スーパーバルキリー」もあります。こちらは最終決戦で、ほぼ全登場機が装備していました。劇場版だと背部ブースターの片方の武装が連装ビームガンに変わっているものがありますが、こちらはストライクバルキリーと呼ぶのだそうです(未見のためWiki情報)。アーマードバルキリーと違ってこちらの状態は変形できますが、こちらも簡単にパージ可能。


 とまあ、長々と書いてきましたが、バルキリーはとにかく格好良かった!


 作中でも高速で変形して戦闘するとか、糸引きミサイルを翼下から発射したりとか、ムチャクチャ演出がカッコ良かったんですよ。


 もっとも、その特性上からか、宇宙の戦闘だとバルキリーやガウォーク形態が多くて、ロボ形態であるバトロイドにはあまり変形しなかったりするんですが(笑)。ただ、マクシミリアン・ジーナス(以下マックスと略)みたいに変形を活用してバトロイド形態になって旋回半径を極小化(つまり、その場で振り向く)して戦ったりするような演出もありました。


 ……よく考えたら、地上編でも空中戦が多くて、あまりバトロイド形態にはなってないような気もしますね(笑)。


 ただ、例の捕虜になる回では巨人と格闘するという、おそらく本来用途での使用例があるなど、印象的なシーンでバトロイド形態になっているので、いらない子感はあまりありません。


 そして、何より、こいつは玩具のできがメチャクチャ良かったんですよ。友人の家で見せてもらったバルキリーは、プラスティック主体でありながら質感が良く、しっかりした作りで、変形の主要機構にはダイキャストを使っていて、壊れにくそうでした。


 そして、あの複雑な変形を差し替え無しで玩具化していたという。もっともその代償としてコクピットキャノピーのカバーが無く、バトロイド形態でもグラスキャノピーが露出するという部分だけはアニメと違っていましたが。このため、逆にS型機ロイ・フォッカースペシャルだけは、戦闘機形態でもコクピットキャノピーにスカル&クロスボーンズがペイントされたままになってしまっています(笑)。


 しかし、そんなことはどうでもいいくらいに、基本的なできが良かったんですよ。全体的なフォルムも、アニメほどスマートではないですが、かなり忠実に再現していました。


 特に、これ実際の販売前に『テレビくん』とかの少年向けテレビ雑誌とかの紙上プレゼント企画の所とかで出てきてた写真だと、何か変な感じで全然魅力的に見えなかったんですよ。あれ試作モックアップかなんかの写真だったのかな。ところが、実際に発売されたのを見てみたら、質感といい、カラーリングといい、フォルムといい、とても素晴らしかった。


 さらに、アーマードバルキリーも作中に忠実に全身への追加装備で再現されましたし、のちにはスーパーバルキリーも完全再現されています。あれ、最初の方に買ったら、バラでスーパー装備の追加販売はなかったからノーマル版買った人は悔しかったろうなあ。


 だから、欲しかったんですよ。特に、後半に活躍するマックス専用の青い色のJ型機。あれが欲しくてたまらなかった。


 しかし、しかしながら、私はそれを買いませんでした。代わりに選んだのが何か?


 マクロスだったんです。タイトルロボであるマクロスの玩具を選んでしまったんですねえ。


 しかし、後悔はしていません。それはなぜかについて、次回に巨大ロボとしてのマクロスの魅力と共に語っていきましょう!

↑何て引きだ(笑)。あ、あとプラモはバルキリー単体ではなくデストロイドとかも含めてまとめて語ります。

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