世界の片隅で

容易く口にする絶望の薄っぺらさに

気づいていないのだろう

どんな絶望だとしても

他者から見ればなんの絶望なのだと

諫められる程度かもしれないのだと

裏返してみせる


感情を逆撫でられて憮然とすればいい

いかればいい

己れの無恥さを知ろうとしないなら

そのまま厚顔に生きればいい

誰も何も言わないだけだ

陰で嘲笑わらったとしても


無知という幸福

無恥という愚かさ

幼稚な思考と感情のままで

生き抜けてしまえる未熟な社会は

もはや救えない末期症状だと

気づきもせずに電脳回路に組み込まれ


誰もが互いの顔すら見ない

互いが何者かも既に認識しない

ただ個人の主張だけに声を張り上げ

絶望などと架空世界の主人公を気取る

その、薄っぺらな言葉を拾い

賛同し伝播する悲劇を横目に


傾いていく世界を思う

ひとり、口笛を吹きながら


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