覚えた感情

最初に覚えた感情は

どこまでも不透明な悲しみだった


諦めの先にちらつく生は

薄汚れて醜く見えて

常識という歪んだ尺度を持たない子供には

輝きの欠片すら探せずに


子供たちは

残酷で硬質な純粋たる結晶の瞳で

薄っぺらな世界を見ていると知らない

大人たち


いびつな成長を促して

狂い出す世の理にすら気づけない

そんな大人を見てきた私もまた

歪曲しきったベクトルに胸を貫かれているのだと


最後に気づいた感情は

どこまでも透明に濾過された悲しみだった

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