血の慟哭

あらゆる感情が激しくぶつかり合い

思考は黒々と塗り潰されていく

今、呼吸をしたら

毒を吐き散らすかもしれないほどに爛れて


揺れる視界は歪に捻れ

正しい姿を捕らえられない

ただ、祈るように目を閉じることが

唯一の自衛手段のように瞼を閉ざした


木霊する怨念の呻き

ひたひたと追い縋る憤怒の唸り

耳を塞ごうとも聞こえる嘆きは

身体の内に響き渡り


何もかも呑み込んでいく

艶やかな悪意を秘めた漆黒の色に

やがて解き放たれる歪んだ感情が

僕を噛み砕き壊していく


見えない血を流し慟哭する





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