冬虫夏草の夢
涼月
冬虫夏草の夢
傷を嘗め合うつもりはない
きみは僕に構わずに行けばいい
常にそうだったじゃないか
先に行くきみ
追いつけやしない僕
僕はきみの背中を見つめ
その才気に感性に
歯噛みさえ出来ぬほど
打ちのめされ
叩きのめされ
かろうじて歩む足を止めずに来たのは
ただ、きみへの想いを
捨てられずにいたからだ
ぼろぼろの自尊心から漏れ出す
憎悪のように激しい感情を
想いと呼んでもいいのなら
僕以上にきみを想う者は居ない
僕はきみを輝かせるだけの存在
きみという天賦の引き立て役
そうだ僕はきみだけを輝かせる
その為にうまれた存在
この痛みの為に生きている
きみの為に生きてきた
もはやきみ無しでは生きられない
愚かで憐れな道化だ
ああ、どうか
友と呼ばないで欲しい
澄んだ瞳で疑いもせず
微笑まないで欲しい
きみの一番傍にありながら
僕は爛れきっている
僕であった
生え出づる亡霊の幻を
きみよ、どうか気づかないでくれ
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