前のエピソード――第13条-03　禁止事項等第１号１１項〜１５項

　第１６項から第１９項にかけてはこの手のサイトにはよくある内容だ。性的な行為を目的とした利用やポルノなどの法的な規制のあるコンテンツの投稿。人を傷つけたり殺したりすることを誘ったり助長すること。行き過ぎた暴力的表現やグロテスクな表現。政治的あるいは宗教的な行為。運営が関わってしまうとろくなことにならない内容に対するものだ。

　第２０項は個人情報保護に関連して設けられた内容である。個人を特定できる内容を不正に集めたり、提示・送信すること。カクヨムの上において考えれば、個人情報を投稿小説そのものに不正に公開したり、各コメントで個人情報を暴露することが該当すると考えられる。

　第１６項から第２０項にかけてはカクヨムの上でなされる表現活動を制限するために設けられている。

　カクヨムに限らず『素人・アマチュアが投稿できる場』というのがたくさん増えることは歓迎すべきことではあるが、反対に考えれば、自らの発した表現をよく考えなければならない機会が増えることでもある。

　表現は誰でもできるものと考えられているし、日本人であればある程度は誰でも表現が可能だ。

　誰でも敷居なく飛び込める世界だからこそ、よく考えられていない表現が小説として溢れかえり、通り魔のように読み手の心をえぐったり追い詰めたりしてしまうこともある。場合によっては精神を病んでしまうこともあるし、五寸釘や楔のようにその人を苦しめ続けることだってある。

　たとえ嘘であっても、である。