プロット:あなたを救うマリアの水
artoday
第1話 あなたを救う水
シーン#1:(新聞広告:広告アップでゆっくり読み上げ、)
聖マリア観音大聖堂は、房総市の海の見える丘陵に建立予定。2020年度完成予定。
例え、現在の景気の動向が変化して、その時期にマリア観音大聖堂が、建立出来なくとも、
必ずや、その年の吉日には巨大なモニュメントとして、
墓碑を建立し、少子高齢化の近未来、、ご自身の遺骨が、無縁仏様になることもなく、東京湾を見下ろし、
古今東西の人の往来と、富士を眺める、雄大な自然が、あなたの現世での気持ちを救ってくれる。
1口:5万より承ります。
地球にやさしい環境設計として、土地費用等の物理的発生費用のみの費用の寄付としていただいております。
(宗教法人)聖マリア仏教会 聖堂建立事業本部
シーン#2:(新宿ハロワーク裏)
ロシア系アジア人が、ハローワークの求人票から、秘書(M)となる。
ダンナさまぁ~、が口ぐせだ。
(G)「おめえ、濃いぃねえ」
(M)「はい~~っ、ダンナさまぁ~」水商売風の衣装とメイクで可憐な笑顔
(G)「まっ、しばらくは、面倒見ようね」
(M)「ありがとうございませぇ~~。ダンナさまぁ~」笑顔
そして、この片言の日本語の女性(M)が、教祖となる、
そして、雇い主が、事務局長(G)となる。
衣装が、変わる無音シーン。
着替えると、別人の様相となる。
シーン#3:聴衆の前で(川崎大師裏・京成成田駅前)
事務局長(G):「マリア観音水は、ただの水ですか。ただの水ですか。
但し、何人も、まず、信じなければ、救われない、信仰の心ありて、はじめて、マリア観音水は、万物に効用があるのです。世の中、お金でしょう」
辺りを見回す。
(G)「違いますか、生きていくだけのお金は必要でしょう。
そう、世界中、どこ行っても、貨幣経済ですからね。
でもね、希望とか、未来とか、、大霊界とか、天国とか、ありますか、
そんなのあるわけないです、あればうれしいですが。」
間
(G)「あなた、ねえ、会社勤めているの何でですか、生きがい?
ちがいますよね、まず、金、お金でしょう。いろいろ、我慢できるのも、家族のため、そう、それも、お金のためね。」
間
(G)「大事なことは、今の今、希望を持ちまして、前向きに生きる、その姿勢こそが、もっとも大切で美しいのです。それが、あなたの本来ですらね。いいですか、それが、今、あなたがいる証拠です」
観衆少ない拍手(さくらABのみ)
(G)「しかし、希望なんて持てますか(?) ヒトはヒトでありまして、ある意味、失礼ながら、だれでも、弱さも持ち合わせております。
ですので、先に、希望や、夢がありまして、はじめて、その本来の姿になれるのです。」
辺りを見回す。
(G)「あなたが、高い確率の中から、生まれて来たことは、純粋に美しい事象であります。」
辺りを見回す。
「初詣をしても、願をかけても、何もないです。当たり前でしょう。そんなこと。」
観衆の1人を見る。
(G)「あなた、うまく運ばないことがって、ここへ来たでしょう。えっ、違います。いいですか、人生のやり直しは、何度でもできますことを、わすれないで、ほしいのです。」
観衆無言で見ている。後ずさりはしにくい空気がながれる。
(G)「救いの水、このマリア観音水は、万物に効用ございますことは、今までの事例にございます。しかしながら、信心のない方には、ただの水道水と同じものであります。それが、ヒトの心なのです。」
観衆無言=間
(G)「であれば、マリア観音水は、ただの水です。率直に申し上げますと、信ずる者こそが、救われます。」
観衆無言
さくらA:「マリア観音水?それ、、一瓶、おいくら何ですか?」
(G):「お値段・・・・そういったものは・・・」
(M)教祖:ゆっくりと首を横に振る
さくらA:「そういわれてもねぇ?」
(M)教祖:片手を広げて、天にあげる
さくらA:「五千円?」
(G):「例えば5と言えば、50円でも、500円でも、そのヒトの気持ちなのです」
さくらA:五千円を置き、、1瓶、受け取る。
(G):「飲まんようになはれ」
さくらA:「はい、ほんとにそうですね、あがとうございます」
・・・・・・・・・・・・・・・・
さくらB:「ホントか、ねえ」
事務長:「マリア観音水は、あなたには、ただの水道水です」
・・・・・・・・・・・・・・・・
さくらB:「あのねえ、水はいらねいけど、さっきの墓の話、、ホントか、
5の意味は、よくわかねぇけど、5万で、無縁さんになんねいのか」
(M)教祖:静かにうなずく
(G):「あなたのご苦労、お顔に刻まれておりますね、教祖さまは、すでに、お気づきです。いくらだからという金額ではないのです。ましてや、無縁仏さまになる必要はないのです。ご連絡先等お手続き、、こちらで承りますので。よろしいですか」
さくらB:目を閉じて、静かにうなずく。
シーン#4:(千葉県君津市山沿い新興住宅内に看板「今日からできるロハスな生活:安心金利」)
空のマリア観音水の瓶が並んでいる・・(八百屋に置く・・・それらしき小瓶)
(G):「おめえ、おめ、、馬鹿野郎っ、、水道水、入れとけった、、つただろうがぁ。てめい、商売やる気あんのかっ。」
(M)教祖:「ダンナさまぁ~、ダンナさまぁ~、蹴らないでくださいませぇ、お願いでございませぇ・・」
(G):「おめぇ、教祖だべ、、化粧、濃いぞっ、」
(M)教祖:可憐な瞳で涙し、遠くを眺める。
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
(G):「ようおめえ、、、・・・・・仕事だ、仕事、、横に乗れ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
遠くに海のある膨大な風景ゆっくりとパン、、、
(G)「あのなあ、、あの水道の水は鹿野山の清水で出来てんだべ」
間
(G)「ああ、あの純白なカモメのような、気持ちが大切だよ。私は、それだ。」
(M)教祖:「ダンナさまぁ~、あれは、サギでございませぇ・・・」
シーン#5:
キャメラ、天にあおりをかける・・・
ラストショット:スーパーのバックに、鳥がゆっくり、飛んで行く・・・
ロールスーパーの音声
(M)教祖「神さまは、ほんとうにいらしゃいます・・・」
(G)「な、なに言ってんだ、おめぇ、おめ・・」
(M)教祖「神さまは、わたしくに試練を・・・・・・・・」だんだん音声小さく
・・・・間・・・・
(G)「たべさ、俺だって、なぁ、、信心なくて、今日までやって・・・・」
音声、航空機の騒音に消される・・・
(M)教祖「えっ、、何と・・・おっしゃったの・・」
(M)教祖「え・・・・」
文字切れの後、羽田D滑走路へ、進入の航空機の影と、爆音・・・
シーン#6:最後に
ルルドの泉も、壺阪霊験記も、末期のヒトのこころを救う大切な表象であります。
霊界とか、神とか、仏の世界図、、曼荼羅とか、
有と無で、思考すれば、基本的に、科学で理解できない世界です。
例え、それが、無いと(無かった)としても、生きている刹那には、そう信じたい、そう願いたいシーンはありますから、人の心に信仰心は、不可欠な存在かも知れません。
ヒトは、生まれながらにして公平平等でもなく、一元的には、生きてはいけないものです。
ですから、マリア観音水は、ただの水でしょうか(?)
本来、信仰の精神世界は、この水のように、偶像化した(目に見える)モノではないからです。
しかし、ヒトは、家族等の信頼関係から、利害に結びついた社会構造と歴史の流れに委ね、それが、社会性の部分でもある、ように、教育されて来ました。
それでも、人は苦しい刹那の時、未知なる存在を信じます。
「マリア観音水は、ただの水ではありません」水は恵みです。
今日は、出口で1本ワンコインで販売しております。
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