せっかくだから書いている話が止まってしまうという事について考える

 今回は所謂『エタる』、進行していた話が詰まってしまい、再開の見通しが立たなくなる、という、読んでる方も書いている方も非常に気まずくなるアレの原因を挙げ、それとなく考えてみる、と致しましょう。

 まず、設定をきちんと決めていても、なる時はこうなります。

 登場人物のあれこれ。

 自分なりに一生懸命考えた世界観設定。

 見せ場にしたいシーン。

 登場人物達はどうなるのか。

 それらを準備し、構成してもなる時にはなってしまう。酷い話ですが、事実です。

 何故なのかを、私の経験した範囲で挙げてみましょう。

・考えた世界観の魅力を見失う

 これがありがちですね。何が楽しくて書いてるんだか分からなくなってしまう。

 こうなる流れとしましては

・他の作品を読んでいたらそちらにハマってしまった

・誰かにこき落とされ、自信を無くした

・登場人物が勝手に動き出して、当初の著者の思惑とは違う方向へ動いてしまい、しかも何故そうなったのか良く分からない。収拾がつかない

などがあります。正直な所、三つめが滅茶苦茶面倒くさいね! 私はこうなりそうになったら書くのを一度ストップし、軌道修正します。絶対に詰まるのが見えてますから、登場人物は話の主な枠からはみ出さない程度に動かすのがいいでしょう。後で詰まっても、まだ軌道修正が効きますので、そうする事を推奨します。

 でなければ、作者にいかなる事情があろうと、評価としては

『あー、あの作者の話ブフー!(*>3<)=3』

です。

 どうですか、この反応。お話を書きたいと思う者の心のどこか、絶対に壊れてはいけない部分が木っ端微塵になる感覚が湧いて来ませんか? 羞恥心とか心ばかりの優しさとか、そういう部分を針の様なものでぶすぶす刺されてる様な感じです!

 たとえあなたが

『批判などには屈しない。この世界は元々荒野だ。

 俺はただ、ほんの一時、そいつを忘れていただけさ……』

とばかりに、最早『打たれ強さ』という概念になりかけてるハングリー精神の持ち主でもこれには反応しなければなりません。でないとただただ腐れて行くだけの人になってしまうから!

『あんたの話、誰が読むんですかい?』

って言われる様なのしか書けなくなっちゃうから!!><

 とは言え、ここまで来るともう完全に自業自得ですが(ばっさり)

『そういうのだけはやめてー!><』

って叫ばないと駄目です。人間の反応としてね。

 でないと真っ当な登場人物視点が描けない人になりかねないのです。お話ではこれは頂けません。

『まともな人間の視点? そんなもの、読者が判断してくれ』

と言い切るのは簡単ですが、一番まずいです。あるがままを書き記すエッセイじゃないんだからさ。世界観を緻密に構築してる話と、エッセイは全く異なりますよね?

 およそどんな作品でも登場人物に常識的な視点担当の人はいます。アウトローの中で生きているけれど、分母の大きい連中の振る舞いに実は付いて行けない人とか、ばれない様に悪事を働いている民間人枠だけど、やはりそれに付いて行けない人とかね。そういう人がいないと、作中でおかしい事として描かれるものの何がおかしいのか、分からなくなってしまうから。

 ギャグもホラーも同じくそうです。

『常識がなければこれらは書けない』

とよく言われます。それも

『そういう世界なのね。ふーん』

で終わってしまうと、ジャンル不明作品になってしまう。ハードボイルド過ぎます。最早○川〇ラー文庫のはずれ枠(←嫌な意味でよく分かってしまう人も少なくないはず)です。

『どういう人が読むのか、よく分からない』

『危ない人にしか分からない世界観』

という、生産性の極北のジャンルに放り込まれます。

 私もいくつかそういう謎小説を読んだ事がありますが、いずれも力ずくで無理やり、時にはどうしてだか心を無にして読み終えてから、地べたに叩き付けたくなりました。

『専門的知識が必要だとかそういう事ではなくて、何故イマイチ面白さが見えてこないのか分からないまま最後のページに到達してしまった』

という話でした。読み落としは多分ない。何故なら

『ん?』

と思った所から読み返しますからね。

 これで例えばかなり立派な出版社から発売されていたりすると、正直、自分の価値観、人間性に激しく不安を覚える。そういうレベルです。

『絶望的なまでに面白さが分からない』(完結している商業作品)。どうです、このパワーワード。特に商業デビューしたいと思って活動している方にはやってられないでしょう?

 お話を考え、書く以上は、モチベーションを保ちながら、前向きな気分で、ノリノリで書きたいはずです。


 通常、読んでる側からすれば、作者の意図の通りに登場人物は動いていると思ってしまいますから、何故更新が止まったのか分からないままです。そりゃそうだ。

『面白かったのに、止まっちゃってる!』

『何で続かないんだろう? 作者さん、ご病気か何か?』

という困惑から

『まあ、話もよく思い出せなくなっちまったし、どうでもいいぜ。あばよ』

となるまでは瞬く間(個人差があります)なので、詰まるよりは短期休暇、つまり

『今週は休みます。サーセン』(大意)

という範囲に最悪でも収めたいものです。もしくは

『誰それを倒した!(救ったとかでもいい) 第一部、完! ご愛読ありがとうございました!!』

という風に一度まとめてしまう。これの方が、読者様のストレスもかなり軽減されると思われます。

 読者さんが読んでくれている内に再開する。そうしたいものです。


 あちこちにそれましたが、また考えてみたいテーマですね。

 ではまた(`・ω・´)ゞ

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