せっかくだからラブコメ追求作品を
またも唐突ですが、成年コミックの話を。
普通の、つまり、少女漫画や少年漫画、百合漫画、大人向け漫画におけるラブコメと同じ価値を、成年コミックに見出しています。簡単に言えば、
『ラブコメのその先の展開を描いている作品として、成年コミックを読んでいる』
という訳。
ラブコメ短編集としての新規発掘をする事もしばしばです。
成年コミックは極めて限定的な世界です。読み切りがメインで、その中で人間関係と、読者を楽しませる内容を描き出しているのを見ますと、
『作品としてすごいな』
と感じます。
『毎月毎月16ページから20ページ以内で、読者を惹き付けるラブコメ読み切り短編を書いているのだ』
と考えれば、その大変さ、すごさは、創作をしている方にはよく分かるかと思います。
ネット徘徊をしていると、
『エロとか簡単でちょろいだろう』
という、かなり身の程知らずな意見を見るのですが、
・読者を惹き付けるコマ割り
・ページ内で話をまとめる短編
のどこが簡単でちょろいものでしょうか。天職的な意味でそちらに向いている人ならともかく、不特定多数が書いている創作において、普通に考えてあり得ません。
カラー原稿の場合なら更にページが減って4ページから8ページの話を考えなければならない。その中でも話の起承転結が出来上がっているのを見ますと、激しい衝撃を受けます。文章ですら滅茶苦茶難しいですからね。キャラクター紹介、世界観説明など、どれだけの事を切り捨ててショートショートにまとめればいいのか。考えるだけでかなりしんどいです。
その成年向けで鍛えられた作家さん達が完全なエロなしの一般向け作品を描くと、全くゼロからの投稿者と比較して、読ませる作品が出て来る割合が高い様に思います。
そりゃそうですよね。『エロ限定』という制約があるとはいえ、そのシチュエーションで読者を惹き付ける『短編』を描くというのを、それも仕事として引き受け、数年単位で実現されている訳ですから。マジパネェと言えましょう。
仮に
『今は一般向けのラブコメを読みたいな』
という場合に、
『エロを抜きにして(ちょいエロやセクシー描写はカウントに入れません)、魅力的なキャラクターとストーリーのラブコメを読ませてくれる』
というのはかなりすごい事でしょう。
成年コミック作家さんの中には一般作品でのデビューを目指して、あえて修行の為にそちらのジャンルで描かれている方も沢山おられる様です。
『表現の自由度を求めて、あえてエロゲーで作品を作るメーカーさんの様な感じ』
といえばいいでしょうか。そういう方の作品も、それはそれで、読んでいて楽しめた事が多かった様に記憶しています。
そう考えますと、
『マンガでも小説でも関係なく、短編を書く上で、もっと参考にされてもいいんじゃないかな』
と思います。
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