第2話:任務内容①



依頼内容:闇オークションへの潜入

難易度 :★★★

成功報酬:100,000ニケル、転移の魔法具



最近、辺境都市にて闇オークションが活発に行われている。そのオークションにて違法な奴隷取引がなされていると報告が入った。至急調査せよ。






レナウン皇国の都から見て東の辺境、お隣のカラリベ帝国の国境近くにこの都市ナーズは存在していた。


この二つの国は五十年前に大きな戦争を起こしており、その際に奴隷兵士として投入されたエルフや獣人たちが犠牲になったという。


その戦災孤児たちが人間たちから隠れて過ごしていたが、荒廃した大地で生き延びられず、四十年ほど前から出稼ぎとして人間の町にやって来た。それ以来、彼らは奴隷として不当な扱いを両国で受けているという。


エルフや獣人たちは人間よりも身体能力が高い。そのため、奴隷としてはかなりの価値があるのである。奴隷商によって彼らは特殊な足枷を嵌められていた。それにより、彼らの魔力を奪い逆らえないようにされているため、都合のよいように使われることも拒むことは出来ない。


それでも、カラリベ帝国よりもレナウン皇国の方がまだ情けもあるということで亡命者が続出。その手段が奴隷売買だ。


そもそもカラリベもレナウンも奴隷は禁止していない。しかし、必ず指定された奴隷商とやりとりをしなくてはならない。また、奴隷商も奴隷商で奴隷候補を誘拐したりしてはならない。そんな掟があった。


この掟が実は当たり前のようでかなり厳しい。奴隷がいなくなったら奴隷商の商売は成り立たなくなる。でも、無理矢理連れてきては行けない。奴隷対象となる種族からすればほんの少しの情けにもなるが、奴隷商にとってはたまったものではない。


だから、彼らはお上の目の届かないところで闇オークションを開き奴隷売買をしているのだ。









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