第2章 とりあえず痩せてみる?⑶
そして、最初に区切りにしようと思っていた七日目。これで一週間だ。
結果から言うと芳しくなかった。体重が減らないのである。ダイエットを始めた最初の頃はどんどん体重が落ちていったが、七日目となると落ちにくくなるものか?それとも停滞期なのか?…停滞期になるのが早過ぎやしませんかね。
まだまだ理想の体型には遠かった。でも、やり遂げたことにはやり遂げたのである。悔しくもあったが達成感も感じた俺は、理想の体型になるまでダイエットを続けてみようと決意した。なんだかんだで体重が減っていく感覚にはまったのもある。
ただ、最後の何日かは体重が思わしくなかった。体重が増えたり減らなかったり。
そこで俺はダイエットの仕方を再検討してみようと思った。そして、1日1食はやめて、今まで1食で食べてきた量を三分割して食べることにしようと決意した。こうすることで少し変化がでるはずだ。こうして俺のダイエットもとい体型変革計画は進んでいくことになる。
そして迎えた温泉旅行。
香澄として過ごしてきた日々の中で蓄積してきた疲れをとろうと決意し、俺は旅行へと行った。あくまで香澄の体だから、暎として生きていた時のように行動しようとしてもすぐに疲れてしまうし、思うように行動できなかった。その分、香澄の身体にはだいぶ無理をさせて生活させてきた節があったからな。
今回は、憑依してから何回か会った友人達との旅行であったため、その点は俺としても気が楽だった。彼女らは俺とも気があう。ひょっとしたら暎と香澄は性格が似ているのかもしれない。この前にあった時は一時間くらい話し込んだが、最初はヒヤヒヤしたけど、その時間はとても楽しかったのだ。だが、問題が1つ。…風呂だ。
温泉旅行と言うからには温泉に浸かりたい。ただ、「香澄」は女性でも「暎」は女性ではない。日頃の入浴で香澄の身体は見るしかないが、その友人となると…心が折れそうな事態だったな。温泉はとてもいい湯で気持ちよかった、とだけ伝えておこう。旅行自体は最高だった。旅館も綺麗だったし料理も美味しかったしね。綺麗な景色もみられたし、土産屋も充実していた。
しかし、減らした分の体重はほとんど戻ってしまった。残念極まりない。だって、旅行先でまでダイエットだなんて、絶対におかしいじゃないか。せっかく旅行先で美味しいご飯が出されるのに…ダイエットをまだまだ続けなければならない理由はここにもあるな。
こうして、俺は温泉旅行の危機を乗り切ったのである。そしてまた新たなダイエット生活は再開されるのだった。…また温泉饅頭食べたいなぁ。
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