スーパー簡単もやし
「売り切れてたのよ、肉」
買い物は、夫婦2人で交代していくようにしている。
日によって、"今日は肉の日よ"と奏恵は鶏肉やら豚肉を買ってくる事があるのだが、これは彼女が肉料理を食べたいから買ってくる(そして義彦に肉料理を作らせる)のであって、実際は曜日によって肉や魚が決まっている訳ではない。
全ては、奏恵の気分次第なのだ。
「BSEと鳥インフルエンザが同時に蔓延したとか?」
"肉が無ければ他の食材で料理をすればいいんだよ"と呑気な様子で返答する義彦にとっては、肉が無かろうがあろうが"美味しい料理は作れる"ので特に打撃を受けるような事は無かった。
「仕方ないから今夜はインスタントの卵スープと麦ごはんで我慢して」
頑張って肉料理を作ろうとしたが、そもそもの肉が売っていなかったので断念したのである。そしてピンチヒッター義彦という流れはお約束だろう。
売り切れ寸前の肉屋に集団で突撃し、"今夜はBBQだ!"とか言っていたギャル男ギャルママ集団を奏恵は許さないと怒りに燃えていたが、空腹のせいで帰宅した時にはもうどうでもよくなっていた。
「一品でもいいから、何か欲しいんだけど」
__________
*スーパー簡単もやし
材料(2食分):
もやしミックス…200g(1パック)
豆板醤…小さじ1杯
コンソメ…小さじ1杯
塩コショウ…少々
道具:
耐熱容器
ラップ
※もやしミックスのイメージはもやしとニラ、ニンジン、キャベツを細かく切ったもので考えてます。もやしが入っていれば先述以外の野菜でも可。
__________
「今日は包丁もフライパンも使わなくていいの?」
肉が無ければ、せめて何かが焼ける音でも聞かせて欲しいと思っているのだろう。
「お腹空いてるし、早く食べたいでしょ?」
「まあ、そうだけど」
と言って義彦が用意しているのは、もやしミックスと耐熱容器。
これで本当に料理をするのか?と誰もが思うのである。
__________
作り方:
①もやしミックスの中身を耐熱容器に入れ、ラップをしてレンジで5分間温める。
②温め終わったら、容器の中の水を捨て、調味料を全て加えて混ぜ合わせたら完成!
__________
「あるあるこういうの、ラーメン屋に置いてある辛いもやし!」
"本当の"手抜きメニューでは?と疑っていた奏恵であったが、実際に出されたもやし料理?を食べるや否や素直に喜んでいた。
「あれと白ご飯あれば、ラーメン待ってる間も苦にならないのよね。…食べ過ぎちゃってラーメンの途中でお腹がきつくなっちゃう時もあるんだけど。」
歯ごたえあり、味良し、そして短時間!良い部分ばかりが見える"超"簡単なもやし料理であったが、喜んでもらえたようで義彦は胸をなでおろした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます